出生率が6年ぶりにわずかながらも上向き、少子化にかすかな明かりが差す一方で、肝心の"産婦人科医"や"産む場所"の不足が問題となっている。厚生労働省が2年に1度行う「医師・歯科医師・薬剤師調査」よると、1984年から2004年の間に、医師総数は17万3,452人から25万6,668人と約32%増加しているにもかかわらず、産婦人科医は、1万2,181人から1万555人と約15%も減少している〔図1〕。また、産科と婦人科に特化した医師数をみると、お産を扱わない婦人科に衣替えする医師が増え、産科医師の数が減っている〔図2〕。 では、将来を担う若手の産婦人科医が占める割合はどの程度なのだろうか。厚生労働省の「年齢階級別医師構成割合」によると、29歳以下は8%程度にとどまっており、50歳以上が全体の46.5%に達している。 医師の高齢化という問題も加わり、今後、ますます産婦人科医師不足が加速することが