タグ

ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (38)

  • 銃の増加による予期せぬ結果の増加:米国の都市において銃携帯の権利が犯罪的行動と警察行動に与える影響 - himaginary’s diary

    というNBER論文が上がっている。原題は「More Guns, More Unintended Consequences: The Effects of Right-to-Carry on Criminal Behavior and Policing in US Cities」で、著者はJohn J. Donohue(スタンフォード大)、Samuel V. Cai(同)、Matthew V. Bondy(同)、Philip J. Cook(デューク大)。 以下はその要旨。 We analyze a sample of 47 major US cities to illuminate the mechanisms that lead Right-to-Carry concealed handgun laws to increase crime. The altered behavior of

    銃の増加による予期せぬ結果の増加:米国の都市において銃携帯の権利が犯罪的行動と警察行動に与える影響 - himaginary’s diary
  • ATMの普及と銀行の窓口係の仕事の変化 - himaginary’s diary

    ボストン大学のJames Bessenが、IMFのFinance and Developmentで、自動化の進展と雇用の関係について考察している(H/T Tim Taylor)。そこで彼は、ATMが普及したにも関わらず銀行の窓口係の職員数が増加した例を引き、自動化が必ずしも失業につながるとは限らない、と指摘している。 ATMに普及にも関わらず銀行の窓口係が増加した理由として、Bessenは以下の2点を挙げている。 以前より少ない人数で支店を開くことができるようになったので(平均的な都市部での支店当たりの窓口係の人数は1988年から2004年に掛けて20から13に減少した)、市場占有率を上げるために銀行がより多くの支店を開くようになった(都市部の支店は43%増加した)。 この点についてTaylorは、1980〜1990年代に州内や州外で支店を増やすことに関する規制が多くの州で緩和されたことも

    ATMの普及と銀行の窓口係の仕事の変化 - himaginary’s diary
  • サンノゼのプログラマーの年収が高い理由 - himaginary’s diary

    についてブルッキングス研究所のJonathan Rothwellが、2013年の求人広告を分析した結果として、以下のように報告している(H/T Mostly Ecoomics)。 Software application developers earn large salaries in the United States, $96,260 a year on average. But in metropolitan San Jose they earn $131,270, the highest in the country. There are many partial explanations for this—local cost of living, differences in education levels, experience, and industry—but non

    サンノゼのプログラマーの年収が高い理由 - himaginary’s diary
  • 前期比年率と前年同期比の違い - himaginary’s diary

    池田信夫氏が8/2ブログエントリで、前回消費増税時と今回消費増税時の実質GDP成長率の推移比較として以下のグラフを提示している。 このうち今回の2014/4-6月期はロイターの予想集計の前期比年率マイナス7.1%を用いているが、実績部分は前年同期比を用いているので、木に竹を接いだようなグラフになっている。このエントリに付いているツイッターを見てみると、既にこのことを指摘された方もいる: では、今回の前年同期比はどのくらいになるのだろうか? 1-3月期の実質季調済みGDPは536122.3(単位:10億円)なので、536122.3*(1-0.071)^0.25を計算すると526341.7という数字が得られる。それの2013/4-6月期の525339に対する伸び率を計算すると、0.2%となる。従って、来の前年同期比のグラフは以下のようになる*1。 ちなみに前期比年率のグラフはこちら。 池田氏

    前期比年率と前年同期比の違い - himaginary’s diary
  • 規範的理論と実証理論の接合点としての効用関数 - himaginary’s diary

    以前、アンドリュー・ゲルマンとピーター・ドーマンの効用理論批判を取り上げたことがあったが、その両者の最近のやり取りがゲルマンのブログで紹介されている。エントリには「計量経済学と統計学の違い:変動する介入効果から効用に至るまで、経済学者は不変のモデルを好むようだが、統計学者は変動する方が安心する(Differences between econometrics and statistics: From varying treatment effects to utilities, economists seem to like models that are fixed in stone, while statisticians tend to be more comfortable with variation)」という長いタイトルが付けられている。 やり取りは、ある特定の変動に焦点を当て

    規範的理論と実証理論の接合点としての効用関数 - himaginary’s diary
  • 経済学と道徳 - himaginary’s diary

    経済学は道徳劇ではない、というのはクルーグマンが良く口にするところだが(cf. ここ、ここ)、Timothy TaylorがこのテーマについてIMFのFinance & Developmentサイトに寄稿している(H/T Mostly Economics;Taylor自身も自ブログで取り上げている)。 その記事の冒頭でTaylorは、経済学と道徳との関係に向けられた3つの疑問を紹介している。 ECONOMISTS prefer to sidestep moral issues. They like to say they study trade-offs and incentives and interactions, leaving value judgments to the political process and society. But moral judgments aren

    経済学と道徳 - himaginary’s diary
  • 金利に反応しない投資 - himaginary’s diary

    石町日記さんもツイートされているが、FRBが投資の金利感応度に関する論文を出している。著者はSteve A. SharpeとGustavo A. Suarezで、論文のタイトルは「The insensitivity of investment to interest rates: Evidence from a survey of CFOs」。 以下はその要旨。 A fundamental tenet of investment theory and the traditional theory of monetary policy transmission is that investment expenditures by businesses are negatively affected by interest rates. Yet, a large body of empiri

    金利に反応しない投資 - himaginary’s diary
  • ビットコインは貨幣に非ず? - himaginary’s diary

    ビットコインを巡ってクルーグマンが幾つかエントリを書いているが、彼の見解は、貨幣として見た場合に価値貯蔵の機能が脆弱ではないか、という12/28付けの最初のエントリでの疑問に尽きているように思われる*1。その点について科学技術者に問い質した時の話を彼は以下のように書いている。 I have had and am continuing to have a dialogue with smart technologists who are very high on BitCoin — but when I try to get them to explain to me why BitCoin is a reliable store of value, they always seem to come back with explanations about how it’s a terrif

    ビットコインは貨幣に非ず? - himaginary’s diary
  • 敬意は物質的格差と切り離せない? - himaginary’s diary

    1/2エントリでマンキューブログを通じて間接的に紹介した、人は地位に関係なくお互いに敬意をもって接すべき、というノアピニオン氏の提唱に、クリス・ディローも反応している。 彼はまず、ジェイ・Zの王様気取りの振る舞いや、シカゴ大学で作業員がエレベータ使用を禁止されたことや、米国版ブラック企業の事例集など、ノアピニオン氏の提唱に真っ向から反するような現実の事象を幾つか挙げた上で、以下のように書いている。 I agree. However, I fear that Noah is under-estimating the extent to which inequality of respect is endogenous. It arises out of the forces that generate and sustain inequalities of power and wealth.

    敬意は物質的格差と切り離せない? - himaginary’s diary
  • BISの年次総会の場で最も尋ねられた質問 - himaginary’s diary

    をジョン・テイラーが紹介している。曰く、 先週の市場の混乱を引き起こしたのは何だと思うか? それに対する回答は中央銀行家によってバラバラだったという。例: 一時的なものですぐに収まる。心配の必要なし。 FRBの成長見通しが民間のコンセンサスより高かったことに驚いたトレーダーが、ゼロ金利はあまり長く続かないと考えた。 FRBはもっと積極的に政策を打つべきだと考えた大手投資家がひねくれた反応をした。 拙劣なコミュニケーション。ベンは7%の閾値を出すべきではなかった。 否、拙劣なコミュニケーションのせいではない。正常化が単なる量的緩和の巻き戻しで済むわけではないということを人々が認識したためだ。正常化の過程は、我々が良く分かっていない変化を数多く伴う。為替相場の再調整が一例。 量的緩和の効果は良く分かっていない。出口は入り口と同じくらいの不確実性をもたらす。 プラスの作用の後に必然的に起こるマイ

    BISの年次総会の場で最も尋ねられた質問 - himaginary’s diary
  • 悲しきモデルの有用性 - himaginary’s diary

    今月初めにEconospeakでピーター・ドーマンが総供給=総需要(AS-AD)モデルの存在意義を問うエントリを上げたが*1、そのエントリが巻き起こした論争で、同モデル擁護の再右翼に立ったのがWCIブログのNick Roweだった。クルーグマンも(現下の状況で来使うべきIS曲線+テイラー則+フィリップス曲線の組み合わせへの橋渡しという位置づけとして*2)AS-ADモデルを部分的に擁護したが、Roweはそのクルーグマンの擁護は不十分である、という不満を表明している。 Roweはさらに、AS-ADモデルの有用性を示す例として、コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁の最近の講演を別エントリで槍玉に挙げている。Roweによれば、同講演で提示されているモデルは以下のAS-AD枠組み*3で解釈できるという。 ここで総需要曲線(AD)は名目金利一定という仮定下で描かれている。名目金利一定でインフレ率が上昇

    悲しきモデルの有用性 - himaginary’s diary
  • 有給休暇を労働者に保障しない唯一の先進国 - himaginary’s diary

    と米国を評した論文をTim Taylorが紹介している(Economist's View経由)。ディーン・ベーカー率いるCEPRの論文で、著者はRebecca Ray、Milla Sanes、John Schmitt。 論文の図1では、OECD各国の制度的に保障された有休休暇・有給休日の状況が以下のようにまとめられている。 日の有給休暇は10日と他国に比べ少なく、有休休日はゼロだが、米国はいずれもゼロである。政府による規定が無いため、米国の23%の労働者には有給休暇が無く、同じく23%の労働者には有休休日が無いという。政府の調査によると、民間部門の平均的な労働者の有給休暇は10日で、有休休日は6日であり、日を除く他のすべての先進国の法的に定められた最低基準を下回っているとの由。また、低賃金労働者(下位1/4)のうち有給休暇を有しているのが49%に過ぎないのに対し、高賃金労働者(上位1/

    有給休暇を労働者に保障しない唯一の先進国 - himaginary’s diary
  • 政策オプションとしてのヘリコプターマネー - himaginary’s diary

    についてのアデア・ターナーとマイケル・ウッドフォードの論争がvoxeuでまとめられている(H/T mainly macro)。ターナーがヘリコプターマネーを政策として検討すべき、と訴える一方で、ウッドフォードが懐疑論を展開している。以下は両者の主張の概要。 ウッドフォード ヘリコプターマネーも通常の量的緩和も、政府の財政および税政策が同じで、恒久的なマネタリーベースの増分が同じならば、完全予見における均衡は同一となる。 両者の効果が異なるとすれば、完全予見の前提が成り立たず、一般市民の受け止め方が違ってくることが原因である。 2001-2006年の日の量的緩和では、人々はマネタリーベースの増加が恒久的なものだとは信じなかったし、現在の英米の政策当局者も中央銀行のバランスシートの拡張が恒久的なものではないと強調している。そうした状況では、需要が増加すべき理由は無くなる。 しかもヘリコプター

    政策オプションとしてのヘリコプターマネー - himaginary’s diary
  • プロテスタンティズムの倫理は存在するか? - himaginary’s diary

    マックス・ウェーバーのプロ倫を巡る研究はブログでもここやここやここで紹介したことがあったが、また新しい研究をUDADISIが紹介している。論文のタイトルは「Does a Protestant work ethic exist? Evidence from the well-being effect of unemployment」で、著者はAndré van HoornとRobbert Maselandというオランダはフローニンゲン大学の2人の研究者。 以下は論文の要旨。 Evidence on Weber's original thesis on a Protestant work ethic is ambiguous and relies on questionable measures of work attitudes. We test the relation between

    プロテスタンティズムの倫理は存在するか? - himaginary’s diary
  • 出生率と女性の労働参加率の関係 - himaginary’s diary

    昨日に続き出生率絡みの論文を紹介してみる。 以下は10年前のドイツはマックスプランク人口研究所のTomas Kögelの論文「Did the Association Between Fertility and Female Employment Within OECD Countries Really Change its Sign?」の要旨。 Recent literature finds that in OECD countries the cross-country correlation between the total fertility rate and the female labor force participation rate, which until the beginning of the 1980s had a negative value, has sinc

    出生率と女性の労働参加率の関係 - himaginary’s diary
  • 男性は女性より競争的? - himaginary’s diary

    高飛びおよび棒高跳びの選手を対象に、性別によって競争に対する態度が違うかどうかを検証した研究をEconomic Logicが取り上げている。論文のタイトルは「Gender and Competition: Evidence from Jumping Competitions」で、著者はリンツ大学の René BöheimとMario Lackner。 以下はEconomic Logicによる内容紹介。 In high jump and pole vault competitions, athletes fail out after three successive misses and need to choose heights strategically as the competition evolves. They do not want to jump too much, esp

    男性は女性より競争的? - himaginary’s diary
  • 規制に賛成したハイエク、反対したフリードマン - himaginary’s diary

    規制を巡るハイエクとフリードマンの考え方の違いについて、Angus Burginというジョンズ・ホプキンス大学の歴史学者がブルームバーグのコラムに書いている(H/T Mostly Economics)。 As he undertook an American lecture tour in 1944, Hayek expressed frustration that many of his most ardent acolytes seemed not to have read the book. Although “The Road to Serfdom” expressed deep anxieties about central planning, it was also explicit about the positive role that government could p

    規制に賛成したハイエク、反対したフリードマン - himaginary’s diary
  • 円の3割の減価に必要な日銀のバランスシート増加額は… - himaginary’s diary

    FT Alphavilleが、円の減価のためにどれだけ日銀がバランスシートを膨らませる必要があるかをざっと見積もったシティのNathan SheetsとRobert Sockinの報告を引用している: Extrapolating these results to Japan, which admittedly may or may not be appropriate, suggests that weakening the currency by 25 to 30 percent might ultimately require an expansion of the BoJ’s balance sheet by roughly five times more than was the case with QE1—or by over 50 percent of GDP. With th

    円の3割の減価に必要な日銀のバランスシート増加額は… - himaginary’s diary
  • HSBCの円相場予想 - himaginary’s diary

    HSBCのDavid Bloomチームの来年末までの円相場予想をFT Alphavilleが紹介している。 円相場の推移を考えるに際しHSBCチームは、アベノミクスを約束、行動、結果の3つの局面(フェーズ)に分け、さらにその中で4つの分岐点を考えている。 約束局面 既に終了 行動局面 分岐点1:日銀の新執行部は積極的な金融緩和派となるか? 分岐点2:日銀は速やかに抜的な緩和政策を実施するか? 分岐点3:自民党は参院選に勝利するか? 結果局面 分岐点4:日銀は2%のインフレ目標を達成し、実質成長をもたらすか? その上で、円相場の推移を以下のような樹形図で表わしている。 赤矢印が彼らの予想であるが、日銀の新執行部は積極的な金融緩和派となるものの、抜的な緩和政策の実施には至らず、2%のインフレ目標の達成もならず、参院選の結果如何に関わらず2014年末には円相場は1ドル=80円に戻る、というの

    HSBCの円相場予想 - himaginary’s diary
  • 最低賃金がEITCより好まれる理由 - himaginary’s diary

    昨日と一昨日は、最低賃金とEITCの補完関係について論じたRortybomb経由でリー=サエズの論文を紹介したが、Economist's ViewのMark ThomaもCBSのmoneywatchコラムで最低賃金とEITCの関係について論じていた。ただしそこでは、両者の政策としての実行可能性が比較されている。 Since the employment effects of the minimum wage appear to be small, but there is enough counter-evidence to raise questions about this conclusion, an obvious question is whether there is a better way to raise the incomes of low-income workers

    最低賃金がEITCより好まれる理由 - himaginary’s diary