戦後,国民生活の変化に最も大きなインパクトを与えたものの一つは,家事労働の自動化を軸にした家電製品の開発と普及である。 このような動きが本格化しはじめたのは,昭和30年頃であり,まず,白黒テレビの普及が先行し,さらに家事を省力化する電気洗濯機,電気掃除機,電気冷蔵庫が普及した。次に,昭和35年からカラーテレビ放送が始まり,昭和39年のオリンピックを契機に本格的に普及し,カー,クーラーとあわせて新三種(3C)の神器時代を形成した。さらに,ステレオ,電子レンジ等の普及が進んだ後,昭和50年代に入ってもルームエアコン,電子レンジ,VTR等の普及が進んだ( 第1-2-17図 )。この間,企業はシェアの獲得と拡大に向けて,製品の性能やデザインの改善に努力したが,多くの製品が性能,品質面で消費者が一応満足しうる水準に近くなり,同時に昭和40年代後半からカラーテレビ,電気冷蔵庫,電気洗濯機等の普及率がほ