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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/column (6)

  • 人質殺害事件に寄せて

    人人質事件は、残念な結果になった。 昨年六月に登場して以来、その残虐さで国際社会を震撼させてきた「イスラーム国」が、いかに深刻な問題かを、日は遅ればせながら実感したことになる。 この問題について、筆者はあまり語ってこなかった。少ない情報で、しかも人命がかかっていることで、あれこれ語ることがいいとは思えなかったからだ。この事件に関する日の報道を見ていると、解決に逆効果をもたらしたのではないかと懸念する。 そもそも、国内の普通の誘拐事件だったら、ここまで情報や憶測を垂れ流しにしただろうか。こうすればよい、ああすればよい、といったコメントが、いちいち日側の手の内、対応を犯人に晒しているとの自覚はなかったのだろうか。 犯人が海外だから、日国内で交わされる議論は聞こえないとでも思っているのかもしれない。だが、ネットに掲載される情報は日語でも簡単に自動翻訳にかけられるし、テレビ画像でもY

    i_nakami
    i_nakami 2015/02/02
  • 「消費税の国」フランスが教えるその功罪

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔5月23日号掲載〕 日政治家の皆さんへ。日在住のフランス人として、消費税について私自身の経験を踏まえてアドバイスしたい。 日人は芸術や人生を楽しむフランスのライフスタイルに加えて、フランスの付加価値税(消費税)も称賛するようになったらしい。日経ヴェリタスは2月19日付記事で、フランスではニコラ・サルコジ大統領が消費税率を現行の19・6%から10月に21・2%に引き上げる考えを示したことを紹介。日の消費税率を10%に引き上げてもまだ低過ぎるのではないか、と結んでいる。 確かにワインとチーズばかりがフランスじゃない。消費税の一種である付加価値税もフランス生まれ。財務官僚のモーリス・ローレが54年に考案し導入した。政府にとって消費税は「天の恵み」のようなもので、生みの親ローレはフランスでは偉人であり「英雄」だ。 楽々と税金を徴収できる消費税は、い

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    i_nakami 2012/06/19
    消費税の功罪
  • 高速鉄道事故は中国にとって吉兆だ

    [9月7日号掲載] 私が初めて中国の高速鉄道に乗ったのは、上海万博が開かれていた昨年の夏。上海からの故郷である南京を結ぶ路線に乗ったのだが、乗客がひどく少なかったことに何より驚かされた。100人ほどが乗れる客車に20人ほどしかいない。 車で4時間かかる上海〜南京間約300キロを、最新型の高速鉄道は1時間10分で駆け抜けた。最高時速は350キロ。同じ中国人として誇らしく感じたが、どうしても日の新幹線と同じように安心して乗ることはできなかった。何か不安なのだ。乗客が少なかったのは、チケットが高いせいもあるだろうが、いま考えればこの不安感と無縁ではなかったはずだ。 不安な理由は中国人の私が言うのも何だが、中国人がやっていることを信頼できないから。もちろんまじめな人もいるのだが、特に緻密さが求められる作業で多くの中国人はつい「めんどくさい」と感じ、ルールやマニュアルに基づかず自分の勘でやってし

    高速鉄道事故は中国にとって吉兆だ
    i_nakami
    i_nakami 2012/01/07
    "ルールが通用しない場面を切り抜けるとき、中国人は力を発揮する。ただ、決められたルールに基づく細かい作業は苦手だ"
  • 明治期の翻訳パワーを今こそ取り戻せ

    今週のコラムニスト:クォン・ヨンソク 〔12月14日号掲載〕 世界で最も古くからあり、人類進歩の原動力になった仕事なのに、携わる人の社会的地位は年々低くなっている職業は何か──答えは翻訳だ。翻訳・通訳といえば、単なる「言葉移し」で「機械的な作業」との認識が一般的だろう。 だが、僕はこのたび『イ・サンの夢見た世界──正祖の政治と哲学』(キネマ旬報社)という韓国歴史書の翻訳に携わってみて初めて知った。翻訳という世界の奥深さと快感を。 翻訳者はある意味で医者だ。原文の間違い、文法的におかしな表現、意味不明な表現もすべて直す。訳注を加えてより完成された形で世に出すという意味で、スタイリストでもある。 アメリカの文学研究者ハロルド・ブルームの理論に基づけば、「すべての読書は誤読であり、すべての翻訳は誤訳である」。そのとおりかもしれない。完璧な翻訳など不可能であり、原作の美しさや表現は損なわれること

    明治期の翻訳パワーを今こそ取り戻せ
    i_nakami
    i_nakami 2011/12/22
    "翻訳者はある意味で医者だ。原文の間違い、文法的におかしな表現、意味不明な表現もすべて直す。訳注を加えてより完成された形で世に出すという意味で、スタイリストでもある。"
  • フランスの秋には極上の日本酒が似合う

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔11月30日号掲載〕 日の秋といえば紅葉、七五三、それにボジョレ・ヌーボーだ。毎年11月になると、日のバーやレストランに赤ワインの津波が押し寄せる。2010年に日が輸入したボジョレは700万。輸入量では世界トップだ。2位はアメリカの230万。日ではEU(欧州連合)全体を上回る量が飲まれている。 日人がビール党であることを考えれば(消費量はビールが酒類全体の38%、ワインは3%)、これは大健闘に思える。そもそもボジョレ・ヌーボーは高級ワインですらない。ごく普通の大衆的なワインだ。輸入業者は毎年、「今年」こそ最高の出来であるかのように振る舞うが、根拠はまったくない。ポマールやピュリニー・モンラッシェやロマネ・コンティなどの最高級ワインとは比べようもない。 ワインを飲む日人はワインに詳しく、ボジョレ・ヌーボーの質についてもちゃんと知っている

    フランスの秋には極上の日本酒が似合う
    i_nakami
    i_nakami 2011/12/05
    "日本酒が売れない一番の理由は、酒造業者と日本政府にノウハウがないことだ"
  • スカイツリーは東京衰退のシンボルだ | TOKYO EYE | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー パリにモンパルナス・タワーが完成したのは1972年。フランスで一番高い超高層ビルとして、街の中心部に誕生した。この建物は当時、現代化への道をひた走る「新生フランス」をリードする「新生パリ」のエスプリのシンボルして期待された。それは「ほかの先進工業諸国に遅れを取るものか」という意思表示だった。 だがその外観はといえば、六木ヒルズよりはややマシという程度の醜悪さ。時とともに、モンパルナス・タワーは大きな過ちだったことが明らかになってきた。パリの景観を壊しているのだ。 パリは歴史的に「平ら」な都市だ。太陽の光はまっすぐ地面に届き、木々はすくすくと育つ。たちの悪い旅行会社にそそのかされでもしない限り、モンパルナス・タワーを訪れる日人観光客などいないだろう。パリにはこんなジョークもあるくらいだ。「パリで最も美しい景色は、モンパルナス・タワーからの眺め。なぜか

    スカイツリーは東京衰退のシンボルだ | TOKYO EYE | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
    i_nakami
    i_nakami 2010/12/23
    すでに海外の人が東京に惹きつけられている魅力のひとつがカオス(混沌)なんだからレット・イット・ビーでいいのよ。
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