時の流れや感じ方は十人十色。職業や環境、人となりによって各々異なるものです。各界で名を成した人に、時間との向き合い方やとらえ方、意識的になる時間について伺う「勝負の瞬」。今回は北極圏探検をライフワークとする探検家・ノンフィクション作家、角幡唯介さんの時間感覚に関する話です。 2014年ころから、私は毎年のように北極圏を訪れては探検を行っています。探検の拠点としているのが、北緯77度47分に位置するグリーンランドのシオラパルクという村。いまも先住民族イヌイットが暮らす世界最北の集落といわれています。 イヌイットと触れ合っていると、彼らが独特の時間感覚を持っていることに気づきます。その昔、西洋の探検家が初めて彼らと接したときも同じことを感じたそうです。 例えば、彼らはこんな言葉をよく口にします。 「ナルホイヤ」 「アンマカ」 「ヒダナーラガー」 私はイヌイットの言語を正式に学んだわけではありま
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