このあいだ編集者の人と原稿の打ち合わせをしていたのだけど、いいアイデアが全く出てこなかった。 若い頃は人生の中で面白いことやワクワクすることがたくさんあったから、感じたことをそのまま書いていけばよかった。だけど、40代に入ったくらいから、心が動くことがあまりなくなってしまった。そうすると何を書けばいいかわからなくなった。若さの終わりを感じる。もう、自分に書けることはなくなってしまったんじゃないだろうか。 そんなことを思ったままに話すと、編集のTさんは「では、そういう気持ちをそのまま書くのはどうでしょうか」と言った。 「過ぎ去った若さについて書くとしても、50代になってから書くと、もう完全に枯れきった感じの遠い目線になってしまうと思うんですよ。でも、40代初めの今ならまだみずみずしい喪失感を書けるんじゃないでしょうか」 確かに、それはそうかもしれない。それは今しか書けないことな気がする。 4
日本維新の会両院議員総会に臨む橋下徹共同代表(当時)。右は石原慎太郎共同代表(当時)=東京都千代田区の衆院第1議員会館で2013年7月2日午後4時34分、藤井太郎撮影 すごい時代がやって来た。橋下徹元大阪市長の弁舌をとらえて「ヒトラーを想起する」と評すれば、あるいは先日死去した石原慎太郎元東京都知事の言動を批判すれば、どれも「ヘイトスピーチ」なのだと政治家が主張し始めたのだ。日本のヘイトスピーチ研究の草分け、前田朗・東京造形大名誉教授は開いた口がふさがらない。【吉井理記/デジタル報道センター】 ――菅直人元首相がツイッターに、橋下さんの名前を挙げて「主張は別として弁舌の巧みさでは政権を取った当時のヒットラーを思い起こす」(1月21日)などと投稿したことについて、橋下氏と関係の深い日本維新の会代表の松井一郎大阪市長が「ヘイトスピーチだ」と批判し、メディアやネットを巻き込んだ論争になっています
キリスト教用の教誨(きょうかい)室の祭壇には十字架やろうそく、聖書などが並ぶ=東京都葛飾区の東京拘置所で2012年10月4日、須賀川理撮影 昨年12月、日本で2年ぶりに死刑が執行された。死刑廃止が世界の流れとなる中、国際社会からは批判も強い。神戸連続児童殺傷事件(1997年)の弁護団長を務めた野口善國弁護士(兵庫県弁護士会)はかつて、刑務官として執行に立ち会った。情報公開レベルの低い日本の死刑状況にあって、野口さんの証言は貴重だ。【小倉孝保】 野口さんは70年、東京大学を卒業して東京拘置所の刑務官となった。翌年暮れ、執行を告げられたばかりの死刑囚を受け持った。 当時、執行は前日の朝、拘置所長から本人に告知されていた。それが終わるとすぐ、死刑囚を特別な部屋に移動(転房)させ、常時警備担当者が監視する。転房先は4階の一室。普段はその階全体が使われていなかった。 拘置所が執行決定を家族に連絡する
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