開催中の北京冬季オリンピックでは普段の実力が発揮できず、期待に応えるような成績が残せなかった選手がいる。戦前のテニスの名プレーヤーで、悲劇の最期を遂げた群馬県渋川市出身の佐藤次郎(1908~34年)を義理の叔父に持つ同市の佐藤節子さん(88)は悲嘆に暮れる現代のアスリートに佐藤の姿を重ね、「国や多くの人たちの期待を背負いすぎないで」と願っている。 「沙羅ちゃんの謝罪を見て叔父のことが脳裏に浮かびました」。ノルディックスキー・ジャンプ混合団体に出場した高梨沙羅選手(クラレ)がスーツ規定違反で失格し、自身のインスタグラムに「私の失格のせいでみんなの人生を変えてしまった」などと投稿したことについて、節子さんはそう語る。