はじめに 本サイトでは旧満州地域の陸軍慰安所に対象を絞って資料を紹介している。中国大陸、南方戦線の慰安所及び海軍の慰安所については、ここでは対象としていない。旧満州以外の慰安所の話題は、ブログの方に記しているので、そちらの参照をお願いしたい。 旧満州(中国の東北地方)地域に関しては、元兵士、元「慰安婦」女性による慰安所の体験談が、数多く残されているにも関わらず、慰安所の設置経緯が明確ではなかった。例えば、昭和17年(1942年)9月3日の陸軍省恩賞課長の報告、「将校以下の慰安施設を次の通り作りたり。北支100ヶ、中支140、南支40、南方100、南海10、樺太10、計400ヶ所」の中に、旧満州地域がすっぽりと抜けている(慰安所と慰安婦の数/アジア女性基金)。 だが、元兵士や被害者女性の証言を集めてみると、慰安所が旧満州の至る所に存在したことが明白に分かる。東寧の慰安所など、一千人規模と言う