小西康陽によるソロ・プロジェクト「PIZZICATO ONE」のニューアルバム『前夜 ピチカート・ワン・イン・パースン』がリリースされた。本作は2019年10月のビルボードライヴにおけるワンマンライヴの模様を収録したもので、ヴィブラフォン/ギター/ピアノ/ベース/ドラムスという編成をバックに、小西は楽器を一切弾かずヴォーカルに専念。1988年~2018年の30年間で発表してきたオリジナル曲を、初めて自身の歌声で披露している。その背景を探るべく、旧知の間柄である音楽評論家の高橋健太郎がインタビュー。 2015年のPIZZICATO ONEのアルバム『わたくしの二十世紀』に収録された「ゴンドラの歌」を聴いた時から、小西康陽は遠からず、全曲、自分でヴォーカルを取るアルバムを作るのではないかと思っていた。なぜなら、それは確実に、彼がまだやり残していることに思えたからだ。だが、それがライヴ・アルバム