批評家の東浩紀さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、批評的視点からアプローチします。 * * * 経営している会社で新たな映像配信プラットフォームを作った。「シラス」という。 筆者は1971年生まれで、いわゆるIT革命に20代半ばで遭遇した世代にあたる。それから四半世紀、ネットが社会をよくすると信じてきた。けれどもこの数年確信が揺らいでいる。ポピュリズム、ヘイト、格差拡大といった暗い現象の背後にネットがあることが明らかになりつつあるからだ。 その流れにどう抗うか。ネットを離れるのも手だが、個人的には別の可能性があったとの思いが強い。 現在のネットの問題は、結局はみなが無料を求めることから生じている。いまはSNSも動画も無料利用が当然だと考えられている。けれども本当はデータも一種の「モノ」であり、保存や転送には費用が掛かる。利用者がそれを負担しないで済むの
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