各界のキーパーソンに自身に影響を与えた天才について語ってもらうインタビュー企画「天才人語」。今回は独創的なスタイルが国境を超えて高く評価され、台湾IT担当大臣オードリー・タンとのコラボでも注目を集める3人組ヒップホップグループ、Dos Monos(ドスモノス)のトラックメーカー/ラッパー、荘子itに話を聞く。 文芸、映画の批評家として知られる蓮實重彦氏の著作や、文豪ドストエフスキーの作品をあげつつ荘子itが語った「天才論」とは――。 “凡庸”と“愚直” 二つのキーワードから描く「天才の肖像」 ――荘子itさんは、どういう人を天才だと思いますか? 荘子it 本当は身の回りの天才だと思う人を挙げたいんですが、あいにく、僕は実生活に関しては、交友関係がそれほど広くなくて。中高一貫校の同級生といまだにヒップホップグループをやっているくらいなので、外の世界とそんなに積極的にコミュニケーションをとって