安倍晋三元首相はプーチン大統領と蜜月関係にあると言われた。なぜ安倍氏とその周辺はそうした方針をとったのか。また、そうした方針はロシアのウクライナ侵攻によってどのように変化していくのか。戦後の日本外交史を専門とし『現代日本外交史』(中公新書)などの著書がある上智大学教授の宮城大蔵が、冷戦後の外交の流れのなかでこれらの問題を考える(以下、本文中の肩書き・役職は当時のものです)。 ウクライナ侵攻と没落するロシア ロシアによるウクライナ侵攻によって国際秩序が大きく揺らいでいる。予想外に苦戦したロシアのプーチン大統領は核兵器の使用までほのめかし、一方で欧米や日本はロシアへの経済制裁を強めている。この紛争がどのような形で終息するか、はっきりと見通すことは現状ではまだ困難だろう。 しかし、今回の紛争の一つの帰結は、ロシアの衰退、没落となることは間違いないように思われる。ロシアはソ連時代の超大国の座からは
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