いじめを苦に自ら命を絶った熊本県立高1年の女子生徒=当時(15)=の母親が、学校や加害生徒に損害賠償を求めた訴訟で勝訴してから1年4カ月がたった。一審、二審と4年に及んだ裁判で、学校設置者の県と加害生徒の損害賠償責任が認められたが、「誰からの謝罪もなく、娘は浮かばれないままだ」と今も悲しみの中にいる。5日開く裁判の報告会で、今苦しんでいる人や裁判を支えてくれた人に、この気持ちを伝える。 女子生徒は熊本市内の県立高1年だった2013年8月に自殺した。女子生徒と加害生徒は寮に入っており、主にいじめは寮生活の中であったとされる。 母親ら遺族は16年7月、「真実を知りたい」と加害生徒と県を提訴。いじめに関連する裁判で、県が初めて被告となった。19年5月の熊本地裁判決は、加害生徒が無料通信アプリで脅迫めいたメッセージを送信したことや、中学校の卒業アルバムに落書きしたことなどを不法行為と認定し、賠償を