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ブックマーク / niewmedia.com (6)

  • 映画『きみの色』は『聲の形』のアンサー。山田尚子監督のひとつの到達点 | NiEW(ニュー)

    8月30日(金)よりアニメ映画『きみの色』が劇場公開中。何より注目は、監督・山田尚子×脚・吉田玲子×劇伴・牛尾憲輔という、映画『聲の形』のクリエイター陣による最新作であることだろう。 若者の感情やコミュニケーションという共通のテーマを持ちながら、『きみの色』は穏やかで心地よい空気に満ちた「溢れ出る感情」を肯定する映画だった。 『聲の形』と共通する「感情」や「コミュニケーション」というテーマ 映画『聲の形』はたくさんの絶賛の声が届いた一方で、原作マンガから小学生時代のいじめを発端とした物語でもあり、観るのがつらい、拒否反応を覚えたという声も少なくなかった。 そして、同じクリエイターチームが手がけた『きみの色』は、若者たちが傷つけ合う様を捉えた『聲の形』のアンサーともいえる。後述する「溢れ出る感情」を肯定的に捉えた作品で、いじめが描かれることもなく、関係がギスギスしたりもせず、穏やかで心地よ

    映画『きみの色』は『聲の形』のアンサー。山田尚子監督のひとつの到達点 | NiEW(ニュー)
  • 21世紀のコーネリアスとアンビエント。人生も半ばを過ぎて語る、YMOの3人に思うこと | NiEW(ニュー)

    近年のCorneliusのアンビエント的楽曲を収めた作品集『Ethereal Essence』。そのリリースのアナウンスに触れた際、意外な驚きがあった。 アンビエントポップを意識したアルバム『夢中夢 -Dream In Dream』(2023年)や、『AMBIENT KYOTO 2023』への参加、あるいは近年のアンビエントリバイバルの背景を考えれば自然な成り行きとも思えるけれど、Corneliusはアンビエントに対して慎重な距離感を保っていたようにも感じていた。 稿では、Cornelius=小山田圭吾がどのようにアンビエントミュージックに親しみ、その音楽性に取り込んできたかについて話を訊いている。そしてそれは同時に、ミニマルミュージックを通過した独自のサウンドデザインの美学を紐解くことにもつながっている。インタビューは旧知の間柄で、『STUDIO VOICE』の元編集長・松村正人を聞き

    21世紀のコーネリアスとアンビエント。人生も半ばを過ぎて語る、YMOの3人に思うこと | NiEW(ニュー)
  • ノラ・ジョーンズ、音楽づくりを語る「その瞬間の感覚を捉えたい」 | NiEW(ニュー)

    「ノラ・ジョーンズ(Norah Jones)はどんなアーティストなのか」という問いを投げられたとしたら、僕はうまく答えられる気がしない。言うまでもなくノラは“Don’t Know Why”の人ではあるのだが、それは最初期だけの話。その後、発表された作品群を聴いてみると、似たようなものがほとんどない。それぞれがその音楽性だけでなく、サウンドの質感なども含めて、いちいち異なっている。そのうえ、そこに傾向があるようにも思えない。プロデューサーやコラボレーターだって様々な人が起用されていて、その共演者に合わせて、大胆に変化もしている。それはノラのソロ作にも言えるし、The Little WilliesやPuss N Bootsなどのプロジェクトでも同様だ。おそらくノラは常に「そのときの自分」を表現してきた。それはまるでその時期のスナップショットのようなものにも思える。 しかも、そのときどきのノラの

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  • 石橋英子が濱口竜介監督との共作を語る。『悪は存在しない』『GIFT』が生まれた奇跡 | NiEW(ニュー)

    奇跡だ、と何度もうれしそうに、ミュージシャンの石橋英子は口にした。自身のライブパフォーマンスと共に上映する映像を、映画監督・濱口竜介にオファー。『GIFT』として企画が立ち上がっていくなかで、映画『悪は存在しない』も成立──その「奇跡」的なプロセスには、カルチャーを形作る私たちへの問いかけも潜んでいるように見える。『GIFT』と『悪は存在しない』に登場する、樹々の奥に潜む野生の鹿のごとく。 声や音もつき、石橋が音楽を手がけた映画『悪は存在しない』は「第80回ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞」を受賞し、待望の全国公開を4月26日に控えている。『GIFT』もまた国内外で上演され、サイレント映画と拮抗する石橋の圧巻の演奏が、オーディエンスを未体験のゾーンへと導いて反響を呼んでいる。次々と変容していく、そのプロセスの最中に、石橋に話を聞いた。 失われた風景への思いがきっかけ。濱口竜介監督との「旅」を決

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  • ヴェンダースが音楽を教えてくれた。最新作『PERFECT DAYS』もその選曲は健在 | NiEW(ニュー)

    ヴィム・ヴェンダース監督の最新作『PERFECT DAYS』が12月22日(金)より公開となる。東京を舞台に、清掃員の男性の日常を描いた作は、主演の役所広司が『カンヌ国際映画祭』で最優秀男優賞を受賞するなど、すでに高い評価を集めている。 ヴェンダース作品における音楽の使われ方に、以前から並々ならぬ思いを持っていたという音楽ディレクター / 評論家の柴崎祐二が、作の魅力を解説する。連載「その選曲が、映画をつくる」、第9回。 ※記事には映画編の内容に関する記述が含まれます。あらかじめご了承下さい。 ヴィム・ヴェンダース作品における音楽 ある時期まで、私にとってヴィム・ヴェンダースの映画を観るという行為は、「ヴィム・ヴェンダースが選び、采配した珠玉の音楽を聴く」という体験を併せ持つものとして、大きな意味を持っていた。その初期作品、たとえば『ゴールキーパーの不安』『都会のアリス』『アメリカ

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  • 宮藤官九郎×大友良英 『季節のない街』で描く「終わりのある非日常」 | NiEW(ニュー)

    『あまちゃん』(2013年)そして『いだてん〜東京オリムピック噺』(2019年)という2010年代の連続ドラマを代表する傑作を手がけた脚家・宮藤官九郎と音楽家・大友良英。その2人が久方ぶりにタッグを組むのが、ディズニープラスで8月9日から配信される連続ドラマ『季節のない街』だ。 戦後日を代表する黒澤明の映画『どですかでん』(1970年)の原作でもある人間の悲喜こもごもを描いた山周五郎の小説を原作として制作された作は、劇中で「ナニ」と呼ばれる大災害から12年後の仮設住宅の街に舞台を再設定し、貧しさと混乱のなかでもたくましく、楽しく生きようとする人々の暮らしを描いている。 宮藤曰く「がちゃがちゃ」した感じを体現する大友の劇伴は、人と街の混沌としたエネルギーを多彩に彩る。作品が作られるなかで、音楽と映像はどのように共鳴するのか。そこに込められた思いとはなんなのか? 2人の対談のなかから、

    宮藤官九郎×大友良英 『季節のない街』で描く「終わりのある非日常」 | NiEW(ニュー)
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