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ブックマーク / www.webchikuma.jp (9)

  • カルチャー愛好家のための新たな重要文献|単行本|動物豆知識bot|webちくま

    私たちのセンスやアイデンティティの起源から、流行の絶え間ないサイクルまで――〈文化という謎〉を解き明かすために、人間がもつ「ステイタス」への根源的な欲望を探求する話題の書『STATUS AND CULTURE』。書を「サブカルチャー先端の現場に常にこの人あり」なインターネットユーザーとして知られる動物豆知識bot氏に読み解いていただいた。PR誌「ちくま」2024年8月号掲載の書評を大幅に増補加筆してお送りします。 「文化」という大いなる謎 『STATUS AND CULTURE』が発表からたった2年で日語でも読めるようになったことは喜ばしい。『AMETORA――日アメリカンスタイルを救った物語』の著者、W・デーヴィッド・マークスの新刊は原著の発売当時からまわりのカルチャー愛好家の間で話題になっていた。カルチャー研究の重要書が日で翻訳されることが少なくなっている昨今、これはうれしい

    カルチャー愛好家のための新たな重要文献|単行本|動物豆知識bot|webちくま
  • 『資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか』解説|ちくま新書|白井 聡|webちくま

    ナンシー・フレイザー『資主義は私たちをなぜ幸せにしないのか』(ちくま新書)より、同書に収録されている白井聡さんによる解説を公開します。書が「資主義社会の質を理解するための第一級の文献」と言えるのはなぜなのか。「共喰い資主義」の実態を暴く世界的政治学者の話題作を読み解きます。ぜひご一読ください。 まず第一に言わねばならないのは、ナンシー・フレイザーによる書は近代資主義社会、その質を理解する上で、きわめて重要な、第一級の文献であることだ。筆者はこのことを深く確信する。 筆者自身のものを含め、近現代の資主義の危機、いやもっと正確に言えば、危機を内在的にはらんでいる資主義の構造を分析する言説は国内外に多数ある。そのなかでも書は、資主義社会の矛盾の全体性、全般性を、その歴史的変遷、転位を含めて鮮やかに図式化した点において、際立っている。現代の課題を考察する上で、最良の文献の地

    『資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか』解説|ちくま新書|白井 聡|webちくま
  • 【第160回】関東大震災100年の年に読む、朝鮮人虐殺の記録|世の中ラボ|斎藤 美奈子|webちくま

    ただいま話題のあのニュースや流行の出来事を、毎月3冊の関連を選んで論じます。書評として読んでもよし、時評として読んでもよし。「を読まないと分からないことがある」ことがよく分かる、目から鱗がはらはら落ちます。PR誌「ちくま」2023年9月号より転載。 今年、2023年は関東大震災から100年の年である。 1923年9月1日午前11時58分、関東地方一円を襲ったマグニチュード七・九の巨大地震。被害の大きさや死者の多さもさることながら、この震災は流言蜚語やデマによって大量の朝鮮人虐殺事件を引き起こした点でも、記憶すべき負の歴史だ。 近年の歴史修正主義によって、教科書や副読の記述が後退したり、就任翌年の2017年以来、小池百合子都知事が朝鮮人犠牲者追悼式典への追悼文の送付を見送ったり。最近右寄りの動きが目立つ案件だけれど、半面、新しい歴史の掘り起こしが進み、関連書籍の新刊や復刊も相次いでいる

    【第160回】関東大震災100年の年に読む、朝鮮人虐殺の記録|世の中ラボ|斎藤 美奈子|webちくま
  • 兵器への偏愛が生んだ一編の批評|ちくま新書|大塚 英志|webちくま

    戦時中、少なからぬ人々が、頭上を飛ぶB-29を見て「美しい」という言葉を残していました。人を殺す兵器を見て美しいと感じる、その感覚と深く向き合った『B-29の昭和史』の書評を、大塚英志さんに執筆していただきました。PR誌「ちくま」に掲載したものより少し長い、完全版です。 ぼくは言うまでもなく「おたく」の類だが、ミリタリー方面には疎く、手先が不器用でプラモデルも苦手だ。模型雑誌に一瞬手を出した時があったが、もっぱら海洋堂の綾波レイのガレージキットの情報が目当てで、買って箱ごと観賞用に飾るだけだった。それでもナチスドイツの戦車や飛行機の模型写真に思わず見とれる時があった。思想的にはぼくはベタなサヨクだが、その「思想」に反して、兵器のデザインを「美しい」と思うことがある。ぼくと比較するのはあまりに不遜だが、宮崎駿もその左派的発言とミリタリーマニアぶりの解離はよく知られている。若き日の宮崎がミリタ

    兵器への偏愛が生んだ一編の批評|ちくま新書|大塚 英志|webちくま
  • 蓮實先生と私|単行本|青山 真治|webちくま

    僕らは教室にいた。と、そこへ先生がはいって来て、いまちょうど三十年が経過したけれど先生のお姿は何も変わっていない。先生が毎年最初の授業で出す映画クイズのその年の第一問は「P.C.L.とは何か」で、三十年前それについての知識が皆無だった者が三十年の間に世界最大の音響機器メーカーに売却されたそのフィルム現像の企業を職場とした経験を持ったどころか業界の総デジタル化によってその業務に実体を失ったいまも会社は自宅近所にその名を残して存在する。もしあれから変わったことがあるとすれば先生と親しく、といってもこちらは相変わらず他の誰に対してより圧倒的に緊張しながらであるが、ともあれ言葉を交わしたりメールを交換したりするような関係を得たことであり、それもこちらが映画監督を名乗り始めたここ十年のこと。そんな関係の最初の話題が長嶋茂雄についてだったのはそれが神宮球場の近くだったせいだろうか。あるいは当時の六大学

    蓮實先生と私|単行本|青山 真治|webちくま
    iinalabkojocho
    iinalabkojocho 2022/03/25
    蓮實さんの息子氏は知人の知人として見かけたことがある。前に亡くなってしまったが。青山さんもか。
  • ホロコーストは近代の産物か|ちくま学芸文庫|田野 大輔|webちくま

    ホロコーストを近代社会の質に深く根ざしたものとして捉えたバウマンの主著『近代とホロコースト』。書の内容が、近年の実証研究の進展によってどのように克服され、また相対化されているか、ドイツ現代史がご専門の田野大輔さんが評してくださいました。(PR誌『ちくま』5月号より転載) ホロコーストはなぜ起こったのか。600万人にもおよぶユダヤ人の大量殺戮はどうして可能になったのか。この問題に社会学の立場から取り組んだのが、ジグムント・バウマンの手になる書『近代とホロコースト』である。彼の回答はきわめて明確である。ホロコーストは近代文明の所産であり、近代官僚制の働きがなければ生じえなかったというのだ。「『最終的解決』はいかなる段階においても、効率的・効果的目的遂行という合理主義的行動とは衝突しなかった。逆に、『最終的解決』は当の合理主義精神から生じ、その精神と目的に忠実な官僚制度によって完成された

    ホロコーストは近代の産物か|ちくま学芸文庫|田野 大輔|webちくま
    iinalabkojocho
    iinalabkojocho 2021/05/19
    “ホロコーストは近代の産物か”
  • 黄金の「地理学」|ちくま新書|藤原 辰史|webちくま

    『ウンコはどこから来て、どこへ行くのか』(湯澤規子著)について、藤原辰史さんに書評を書いていただきました。PR誌「ちくま」に掲載されたもののロングバージョンです。こののいろんな側面がうかびあがってきますので、ぜひご覧くださいませ。 1 と対比して、の変形にすぎぬ排泄に関わる研究は、それほど分厚くはないだろう、と思っていた。ところが書を読み、まず驚いたのは、排泄にまつわる参考文献の豊かさ、そして質の高さである。引用されるの一部を紹介しよう。三好春樹『ウンコ・シッコの介護学』、スーエレン・ホイ『清潔文化の誕生』、藤島茂『トイレット部長』、三俣延子「産業革命期イングランドにおけるナイトソイルの環境経済史」、林望『古今黄金譚』、姫田隼多『名古屋の屎尿市営』、斉藤たま『落し紙以前』、ロナルド・H・ブルーマー『拭く』、渡辺善次郎『都市と農村の間』など、なんとも魅力的なタイトルのに溢れている

    黄金の「地理学」|ちくま新書|藤原 辰史|webちくま
    iinalabkojocho
    iinalabkojocho 2020/11/14
    これは読まねば。
  • 毎日放送「〈映像〉の系譜」編② 大阪から「沖縄」を取材し伝える|地方メディアの逆襲|松本 創|webちくま(1/3)

    地方にいるからこそ、見えてくるものがある。東京に集中する大手メディアには見過ごされがちな、それぞれの問題を丹念に取材する地方紙、地方テレビ局。彼らはどのような信念と視点を持ってニュースを追いかけるのか? 報道の現場と人を各地に訪ね歩く「地方メディアの逆襲」。ドキュメンタリー「映像」シリーズの放送を長年続ける大阪・毎日放送に迫ります。 沖縄の記者たちに見た「報道の原点」 毎日放送(MBS)の『映像』を専属で担当するドキュメンタリー報道部へ、斉加尚代が異動したのは2015年7月のことだ。橋下会見でのバッシングの後に司法キャップを2年務めたが、その間は、自らの「軸足」の置き場に迷う時期だったという。 「ニュース判断や特集企画をめぐって、後輩のデスクと意見が合わなくなってきたんです。わたしは先輩が相手なら、いくらでもケンカできるんですが、後輩から『視聴者はそんな話に興味ないですよ』『視聴率取れませ

    毎日放送「〈映像〉の系譜」編② 大阪から「沖縄」を取材し伝える|地方メディアの逆襲|松本 創|webちくま(1/3)
    iinalabkojocho
    iinalabkojocho 2020/10/03
    “〈お上のやることを疑い、風刺して庶民の力に変え、決してひるまない。それが関西文化に根ざした大阪発の放送局の誇りではなかったのか。東京一極集中で失われるものがある。
  • パンデミックの夜に|特別掲載・大疫病の年に|重田 園江|webちくま

    新種のウイルスという見えない恐怖や先の見えない不安、そして氾濫する真偽不明な情報……。そうした奔流のただなかで、私たちは何を、どう考えるべきなのか。「分けるべきものを分け、結びつけるべきものを結びつける」──そうした思想史家の視点から、いま世界で起こっていることを理解するための糸口について、ご寄稿いただきました。ぜひご一読ください。 情報の氾濫と錬金術師 パンデミックをめぐって大量の言説が出回っている。情報の大波に、まさに溺れかけている人も多いだろう。新しい現象が起きたときというのは、確実なものと不確実なものを誰も明確に分けることができない。こうした振り分けは、未来においてはじめてある程度可能なことだ。時間を飛び越えられない人間存在の限界からすると、たとえば冷静に判断し「正しくおそれる」という台詞は、現状では空疎に響く。「正しく」がどうすることか明確に分からないなか、むしろ人々の不安を煽る

    パンデミックの夜に|特別掲載・大疫病の年に|重田 園江|webちくま
    iinalabkojocho
    iinalabkojocho 2020/05/09
    歴史に学び、繰り返されるシステム的な破綻を回避すること。それが人間らしさ。
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