年末年始は家でゆっくりお風呂に入るという人もいれば、年末年始こそお風呂屋さんに出かけたいという人もいます。行きつけの銭湯の年末年始のスケジュールを確認してから新年を迎えた人も多いのではないでしょうか。昔の銭湯のお正月は、どんな雰囲気だったのでしょうか。今回は、江戸の湯屋のお正月についてまとめてみます。 お正月の湯屋のおひねり 元旦に風呂に入ると福が流れてしまう、元旦ではなく1月2日の朝を初風呂にするべき、というような説もあるようですが、『公衆浴場史』では「元旦に風呂にはいると福がくる」という俚諺が紹介されています*1。解説には次のように書かれています。 「一年の計は元旦にあり」といわれるとおり、元旦早朝に風呂にはいって、過ぎた一年をかえりみ、一年間の計画を考えれば、かならず名案が浮かぶものといわれている*2。 昔の銭湯、江戸の湯屋は年末年始も多くの人が入浴に訪れたようです。「初湯」は1月1