一人ひとりの言葉と生きる力に心を寄せて 琉球大学教授 上間陽子さん 2017/08/02 上間陽子さんは、大学で教えるかたわら、性風俗で働く若い女性たちの聞き取り調査やサポート活動をしている。調査で出会った女性たちとの関わりをまとめた著書『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』は、大きな反響を呼んだ。彼女たちの語りや生活から浮かび上がってきたものは何か。彼女たちが抱える「生きづらさ」とは何か。そして上間さんは、彼女たちとどう向き合っているのか----。 『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』は2012年の夏から沖縄ではじめた調査をきっかけに出会った女性たちのうち、キャバクラで勤務していた、あるいは「援助交際」をしながら生活をしていた、10代から20代の若い女性たちの記録である。調査はもともと、風俗業界で働く女性たちの仕事の熟達の過程、生活全体、そして幼少のころからの出来事に注目した聞き取