「人工知能が持つ可能性のひとつに、未来予測があります。膨大なデータを分析することで、これから先に起こりうる出来事の兆候を発見し、それを人間に知らせることができるのです」 このコメントは以前、日本のとあるAIスタートアップを取材した際に聞かせてもらったものだ。取材では、人工知能の本質や最大のメリットについて話が及んだのだが、そのひとつとして担当者は「未来予測」というキーワードを選んだ。 話を聞いた当初、その意味があまり実感できなかったのだが、その後、AI関連のニュースを見ていくうちに、同担当者の思い描いていたであろうビジョンが、おぼろげながら理解できるようになってきた。 現在、人工知能はさまざまな産業において、「未来」を予測するために利用され始めている。例えば、製造業における「故障予知」などは最たる例だろう。同様に、漁業では「漁場予測」、畜産業では「疫病予測」という用途が想定されており、各企