二酸化炭素(CO2)を地中深くに埋めたのと同様の条件で、天然ガスの主成分メタンに変換させることに佐藤光三・東京大教授(石油工学)が成功した。地球温暖化の主因である厄介者のCO2を新たなエネルギー源として確保する可能性が出てきた。千葉市で21日に開催された日本地球惑星科学連合大会で発表した。 大気中の濃度上昇を抑えるため、CO2を地中に回収・貯留する技術(CCS)が各国で注目されている。研究チームは、枯渇した油田などで生息している複数のメタン生成菌を使って実験。このうち、「メタノサーモバクター」だけがCCSで想定される65度、CO2濃度80%など6条件がそろった状態で、増殖しメタンを生成した。 生成効率は最適の条件に比べ3%と低いが、試算では約620万トンのCO2貯留が可能とされる八橋(やばせ)油田(秋田市)で実施すると、8年間で、国内で1年間に生産される天然ガス(輸入されたLNGも含む