「もうびっくりして、涙が溢れてきました。生まれた子どもをお腹の上に置かれたとき、ドンッて衝撃的な感覚があって。“あ、この子が出てきたんだ”と思って、なんとも言えない感情でした」 柔らかな笑みで「いい子に生まれてきてくれました」と話す新井恵理那。その姿はすっかり優しい母の顔だ。
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いまから122年前の1902(明治35)年に起きた、八甲田山雪中行軍遭難事件。未曽有の荒天の中でいくつもの人為的なミスが重なったとされる。だが、その責任はほとんど追及されないまま、「無謀な行軍」の悲劇は「天災」として片づけられただけでなく、いくつもの「美談」に転化された。 その陰で事実は隠蔽され、多くの謎が残された。そこには、近づきつつあった日露戦争に全ての関心を振り向けようとする強い力が働いていた。210人が遭難し、199人が犠牲になった「日本山岳史上最悪」の遭難はどのように伝えられたのか。あるいは伝えられなかったのか――。 今回も当時の新聞記事や記録は、見出しはそのまま、本文は現代文に書き換え、適宜要約する。文中にいまは使われない差別語、不快用語が登場するほか、敬称は省略する。部隊名の表記は例えば「歩兵第五聯隊」「三十一聯隊」が当時の正式名称だが、新聞記事の見出し以外「歩兵第五連隊」「
アメリカには教室制度が無い 自分は、高校2年生の時から交換留学制度を使いアメリカに渡り、現地、フロリダ州オーランド市の公立高校に編入した。 はじめに驚いたのは、アメリカの公立高校は大学と同じシステムになっていたことだ。たとえば、○年○組という決まったクラスはなく、「○年○組の担任」という先生もいない。ホームルーム担当はいるけれど、その先生はホームルームで伝達事項について話すだけだ。 そもそもアメリカの高校には、出席を取ったり全員に一斉に何か連絡を伝える毎朝の日本で言うホームルームのようなものがなかった。大学と同じように、登校して教科の教室に入ると一時間目の授業がいきなりはじまる。自分の属する教室がないということは、時間割も一人一人違うということだ。毎時間、授業を受ける生徒らがその度に入れ替わるからだ。出席確認はそれぞれの授業ごとにその教科専門の教師が担当していた。 それから、ホームルーム担
先祖や親の代から受け継いできた不動産の取り扱いで苦労をしている人が増えている。全国に存在して一部が社会問題化しているといわれる空き家は2018年の調査でその数は849万戸。そのうちの約4割にあたる348万戸が、統計上の「その他住宅」、いわゆる個人住宅の空き家に該当する。今年は5年おきの調査年にあたるが、その数は増えることはあっても減ることは考えられないのが現状だ。 写真はイメージ ©iStock.com 空き家が増える原因は「相続」 さて空き家が増える原因が相続だ。地方に残された実家、親の家の取り扱いに悩む人は多い。高度経済成長期から現代にいたるまで地方圏から大都市圏に大量の人の移動が生じた。都会にやってきた多くの人たちは地方に戻ることはなく、大都市郊外などに家を構えた。少子化が進行する中で、地方に残された両親が亡くなると、なくならないのが親の住んでいた地方の実家。先祖伝来の家になると引き
日本人の3人に1人は日本語が読めない? 集団ですぐれた意思決定をするための条件は、人種、民族、国籍、宗教、性別、性的指向などが異なるメンバーを集める多様性と、その全員が一定以上の能力をもっていることだ。このふたつの条件を満たすと、多様な意見が「化学反応」を起こし、とてつもないイノベーションが生まれる可能性がある。 ところが、自然に生まれる集団ではこれとは逆のことが起こる。 ひとは生得的に、自分と似た者に惹かれる性質があるので、アメリカのような多文化社会では、人種や民族、宗教ごとにコミュニティがつくられるが、知能や学力で選別するようなことはない。知識社会は産業革命以降に成立したので、そんなグループ分けをする本能は脳に埋め込まれていない。だからこそ有名大学やシリコンバレーのIT企業は、人為的な方法(入学試験や高報酬)で能力の高い者だけを集めているのだ。 その結果わたしたちは、なんの多様性もなく
海外旅行にだんだんと行けるようになりました。とはいえ円安だし燃油サーチャージが高いし、コロナ対策の手続きで日本に予定通りに帰れないリスクもある。なかなか海外旅行への腰が上がりにくい状況にあります。 海外に行けない代わりに、僕は日本の在住外国人をターゲットにした“ガチな異国飯屋”(=外国料理屋)に行っています。日本人向けにアレンジされていないガチな異国飯を食べ、客同士や店員との外国語会話を聞き、独特な内装を見て気を紛らわしています。日本人がアウェーな異国飯屋に頻繁に行って海外旅行気分を疑似体験することで、ますます海外旅行に行く腰が上がらなくなるという、本末転倒なことも起きています。なんてこったい。 新小岩駅の南口にはアツい店が集中 そんな日本人アウェーな外国料理屋は、東京でも新大久保や池袋や高田馬場や上野など、いろんな地域で集中していますが、一番好きな街は東京の東の端にある総武線の小岩と新小
幻の“MIKIKOチーム版”五輪開会式を完全再現!【電子版オリジナル】 もし実現していたら、どうなっていたのか。小誌が入手した写真と資料で再現してみると…… 8月8日に閉幕を迎える東京五輪。小誌はかねてより、その最大のセレモニーである開会式をめぐる混乱ぶりを報じてきた。混乱の原因は昨年5月、演出振付家・MIKIKO氏が演出責任者の座を突如奪われたこと。MIKIKO氏に代わって責任者の座に就いた電通出身のCMクリエイター・佐々木宏氏は、既に完成していたMIKIKO氏の企画案を無残に切り刻み、作り替えた。しかしその佐々木氏も今年3月、小誌に渡辺直美をブタに喩える不適切な企画案を提案したことを報じられ、辞任に追い込まれた。 小誌はMIKIKOチームが完成させた“幻の企画案”を入手し、その内容を報じてきた。昨年4月6日付で、IOCにプレゼンをするために作られたものだ。MIKIKO氏はこの企画案の完
演出責任者の相次ぐ交代など迷走を重ねた五輪開会式。今回入手した11冊にも及ぶ台本には、その過程が詳らかに記されていた。なぜ、どのようにして、開会式は“崩壊”していったのか。小誌だけが書ける全内幕――。 そのセレモニーは、新国立競技場に1台のバイクが颯爽と走ってくるシーンから幕を開けるはずだった。大友克洋氏の漫画『AKIRA』の主人公の愛車、赤いバイクだ。会場に映し出されるカウントダウンの数字。ゼロになると、中央のドームが開き、ステージに3人の女性が姿を見せる。Perfumeだ。会場には、彼女たちをプロデュースする中田ヤスタカ氏の書き下ろし楽曲が流れている。 Perfumeの出演は幻に終わった 精魂込めて作り上げた210分間のステージが、全世界の人々を虜にし、アスリートたちの背中を押していく。演出振付家・MIKIKO氏と彼女が率いてきたチームにとって、東京五輪の開会式はそんな晴れ舞台となるに
*以下の記事では、『君の名は。』や『天気の子』、『おもひでぽろぽろ』、『マイマイ新子と千年の魔法』の内容と結末が述べられていますのでご注意ください。 『週刊少年ジャンプ』に人気連載中で、アニメ化もされて「ポスト鬼滅」の呼び声の高い『呪術廻戦』であるが、私はあまり重要にも思えない細部が気になっている。主人公の虎杖悠仁(いたどりゆうじ)の出身地が宮城県仙台市であり、都立呪術高専の1年生として同級生となる釘崎野薔薇(くぎさきのばら)が岩手(本人の言うところでは「盛岡まで4時間かかるクソ田舎」)である、という事実である。 これは、作者の芥見下々の出身地が岩手と仙台の両方の説があり、岩手生まれで仙台育ちである可能性がある、という単純な事実によって説明ができるし、私としてもそれ以上に、彼らの出身地が作品のテーマに深く関わるとは考えていない。 ただ、『呪術廻戦』においてある程度のリアリティを持って描かれ
——負の連鎖がおきて貧困から抜け出せなくなる構造の一端がわかりましたが、それ以外にも歴史的背景として押さえておくべき点はあるでしょうか? 貴堂 構造的な差別の起源をさかのぼれば、長い奴隷制下の苦難にまでたち戻らなければいけません。 本人の意思に反して強制的に連れてこられ、商品として売買され、幾世代にもわたって強制労働に従事させられ、性的にも搾取された。結婚する権利も家族を持つ権利も保障されず、読み書きを学ぶことも禁じられた。そうした南北戦争終結までの約250年もの労苦も、制度的差別の土台をなしています。 アメリカはよく「移民の国」として語られます。自由や平等といった米国の理念に惹きつけられ、世界中の移民が機会の平等を求めてやってきた歴史がそこでは語られます。しかし、その「移民の国」の語りが、もう一つのアメリカ史である「黒人差別の歴史」をみえなくしてきたことに私たちは自覚的であるべきです。
動画には「描写がステレオタイプ的だ」「複雑な背景をあまりに簡略化している」との批判が相次いだ(NHKは9日に動画を削除し、謝罪)。中には、米国の人種差別の実態を理解するには、「制度的人種差別」を学ぶことが欠かせないとする声もあった。 BLM運動や米国の人種差別についてより詳しく知るため、米国史の専門家で、米国研究者がNHKに提出した同動画への要望書の呼びかけ人の1人でもある一橋大学教授の貴堂嘉之先生にお話を伺った。 ◆ ◆ ◆ 社会構造に組みこまれている「制度的人種差別」って? ——白人警官によるジョージ・フロイドさんの殺害、そしてその後のBLM運動を受けて米国では「制度的人種差別」についての議論が活発に行われています。「制度的人種差別」とは何か、教えてください。 貴堂嘉之先生(以下、貴堂)英語ではinstitutional racism(インスティトゥーショナル・レイシズム)というのです
刻一刻と状況が変化するコロナ禍では、平時では見えにくいさまざまなものごとが浮き彫りになってくる。企業姿勢もそのひとつだ。 4月、アウトドアメーカー・モンベルは医療機関に無償提供するための防護服とフェイスシールド、一般販売向けの布マスクの製造を開始した。その迅速な行動の裏には、会長・辰野勇が長年の山岳経験と企業経営で磨いてきた勘と判断力があった。 まず寝袋カバー用にストックしていた米国デュポン社の高密度ポリエチレン不織布「タイベック」を使って600着、さらには急ぎで集めた建築資材用の「タイベック」を使って1700着、計2300着の防護服製造を国内工場でスタート。続いて、台湾の協力工場にフェイスシールド3万個を発注した。 また、Tシャツなどに用いる速乾性機能素材「ウイックロン」を使った布マスクを国内工場で9万枚縫製した。 5月初旬、これらの初回生産分が完成し、大阪本社に届いた。 社会のニーズを
海外メディアのすさまじいレビューにより、日本公開前から注目を集めていたアリ・アスター監督、フローレンス・ピュー主演の映画『ミッドサマー』。不幸な事故によって家族を亡くした主人公、ダニーは彼氏のクリスチャンとクリスチャンの友人たちと共にスウェーデンの辺境のカルト村「ホルガ村」で行われる夏至祭の中で恐ろしい体験をするというフェスティバルスリラーです。 元カルト信者としての感想に大きな反響が 2月に日本で公開された後、同作を見にさっそく劇場へ足を運びました。同作が気になったのは、話題の映画であるからだけではなく、私自身、元カルト信者だからです。見終わった後、元カルト信者としての感想をツイートしたところ、大きな反響がありました。 元カルト信者として見たミッドサマーですが○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
◆◆◆ ――この20年ほどで韓国映画が急速に進化している印象があります。その背景には、どんな要因があるのでしょうか。 李 「なぜ韓国のコンテンツが世界で評価されるようになったのか」というテーマを語るとき、日本でよく言われるのは「国が金銭的な支援をしているから」という理由ですよね。 ――人口が日本の半分以下しかない韓国では、国内市場が小さいため、海外でも“ウケる”コンテンツを作って輸出しないとなかなか稼げない。そのため、国が力を入れてエンタメ産業をサポートしている……という話ですね。 政権の「ブラックリスト」に載っていたポン・ジュノ監督 李 ただ、『パラサイト』のポン・ジュノ監督や主演のソン・ガンホなどは、朴槿恵政権時代には「ブラックリスト(※)」に載っていた人たちです。「国が支援したから」という論理でいくと、ではなぜブラックリストに載っていたような人たちが素晴らしい作品を作れたのか、という
いっぽうでいつまでも元気でいたはずの親の顔を見ると、えらく老け込み足腰も弱っている。介護の二文字も現実に近づく。父親が一生懸命働いて住宅ローンを完済した家も築40年。傷みは激しい。そこで多くの人はこう考え始める。 「そうだ。親と同居しよう。二世帯住宅にすれば、ローンの負担も少ないし、子供の面倒も見てもらえる。将来的には親の介護もできる。一石二鳥どころか三鳥じゃないか」 ということで、親と相談して二世帯住宅に建て替える。または親の家を売却して、「もう少し都心部に近いところで二世帯住宅を購入しよう」となる。 「同居型」と「分離型」という選択肢 敷地が十分広ければ、親の家とは別棟で子世帯の家を建設できる。そうすればお互いに気兼ねなく生活ができ、親が年老いてきても常に目が行き届く。 ©iStock.com しかし、都市部になると敷地に必ずしも余裕がないために、たとえば1階部分を親世帯、2階部分を子
アニメ界のご意見番と言えばこの人! 『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』『イノセンス』などの作品で知られる押井守監督に、今年のアニメ界で注目した出来事を振り返っていただいた。 取材・構成=渡辺麻紀 ◆◆◆ 「作り手として“配信”に限界が見えた」 (1)視聴者からの反響が見えづらい見放題月額制 当初、ネットフリックスやアマゾンプライムなどの配信会社はクリエイターを尊重してくれる上に、資金もあって予算的にも苦労が少ない……そんなふうに聞いていた。私も何本か企画書を出したのだけれど、ことごとく通らなかったし、そうしているうちに状況も変化していったんだよね。 こういう状況は、80~90年代のOVA(オリジナル・ビデオ・アニメ)ブームと似ていると思う。最初はオリジナルのストーリーを作らせてくれていたのに、あっという間に人気シリーズのスピンオフなど、鉄板の企画しか通らなくなったんだ。配
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