前回の記事「フランス文学史」では、小説の時代である20世紀は、詩集のみを掲載した。代表的なものについては漏れなく網羅したつもりであるが、前世紀当時に国内で発行された詩集から、リアルタイムではどのような詩が重要視されているかを見直してみた。 今回採り上げるのは、1978年に弥生書房から発行された『現代フランス新詩集』。小海永二が当時訳したフランス詩のほぼ全て(アンリ・ミショーを除く)となる36人の詩人の約120篇が生年順に収められている。収録作は以下の通り。 マックス・ジャコブ『骰子(さいころ)筒』(1917)『中央実験室』(1921) 「戦争」「小さな詩篇」「出発」 ギョーム・アポリネール『アルコール』(1913)『カリグラム』(1918) 「ミラボー橋」「恋は死んでしまった・・・」「孔雀」「白い雪」 ジュール・シュペルヴィエル『引力』(1925)『未知の友ら』(1934)『世界の寓話』(