1962年製作のアメリカ映画。楳図かずお氏の「おろち」(姉妹)に霊感をあたえたというので気になっていたもの。しかし、じっさいに見てみると、両者はあまり似ていない。似ているのは、姉妹の愛憎を描いていることと、被害者だと思われていたほうがじつは加害者だった、という落ちの部分だけだ。 内容はといえば、ヒッチコックの映画から美男美女を外して、かわりに姥桜(というより葉桜に近い)二人を配したスリラーといえばいいか。主人公のジェーンは、子役として成功した少女時代の夢に固着したまま年だけとってしまったデカダンスの体現者としてあらわれる。この少女時代の夢を象徴しているのが「ベビー・ジェーン人形」という、ぶきみなまでにリアルな等身大の人形だ。この人形を劇場の外の売店にいっぱい並べて売っているシーンには驚いた。いま日本でアイドルの出演するホールの外でこういう等身大の人形を売ったらどういうことになるか。考えただ