古代ローマ、共和政末期の詩人。ベローナに生まれる。ローマに出て、当時流行のアレクサンドリア派文学理論を信奉する詩人たちの仲間に入る。116編からなる『詩集』は、その大半が、愛、友情、旅、自然、兄の死、文学、政治、日常のささやかなできごとなどをおりに触れて歌った機知に富む珠玉の小品からなり、感情の素直な表現にみせて、実は効果的な計算と技巧に裏打ちされている。とくに彼がレスビアと名づけた多情な貴婦人に対する愛と失恋を歌った一連の詩が光り、これにより優雅な社交詩人から孤独な叙情詩人に変貌(へんぼう)し、次の世代の恋愛エレゲイア詩人たちの先駆をなした。ほかに小叙事詩『ペレウスとテティスの結婚』『アッティス』など、アレクサンドリア派の手法により神話を扱った、比較的長い詩が数編あり、当時はこれらが代表作とされた。今日では彼自身の恋愛体験の意味と価値を客観的ジャンルによって確かめるための寓意(ぐうい)的
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