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2018年1月1日のブックマーク (3件)

  • ひとでなしの猫 窪田般彌 『日本の象徴詩人』 (新装版)

    「私が象徴といふ時、抽象的、非現実的を意味するものでは更にない。無意識界よりわが感性への、未だ言語にのぼってゐない消息、反映、照応、流動、即ちあらゆる濃い現実の祈願を言ふのである」 (三富朽葉) 窪田般彌 『日の象徴詩人』 (新装版) 紀伊國屋書店 1979年12月31日 第1刷発行 206p 四六判 丸背紙装上製 カバー 定価1,400円 装幀: 初山浥子 書「新装版によせて」より: 「『日の象徴詩人』は私の最初の単行であった。はしがきを見ると昭和三十八年三月の日付がついているが、実際に原稿を書いたのは三十七年の夏休みだった。(中略)昭和三十七年といえば、私もまだ三十六歳、だからこそ今読み返してみれば資料も不充分、文章も稚拙、気負いばかりが目立つ原稿を書きとばすことができたのだろう。 しかし、私はこの不備だらけな書物に愛着を持っている。(中略)私の遅ればせな青春の情熱がみなぎっ

  • 日本象徴詩集 | daily-sumus

    百万遍で三冊千円のコーナーにて。未来社同人編『日象徴詩集』(玄文社、一九一九年)。発行者は長谷川巳之吉になっている。むろん後の第一書房主。序文、三木露風。三十二人のアンソロジーである。 三木露風 柳沢健 西條八十 増野三良 二宮典美 北村初雄 椙森事麿 上里春生 横山弁人 川浩 前田正嗣 斎藤正雄 伊藤百蓮 加藤精一 灰野庄平 上田敏 北原白秋 堀口大学 斎藤佳三 喜志麦雨 近衛直麿 浜野英二 竹内勝太郎 保科良造 前田春声 竹友藻風 山宮充 新城嘉香 日夏耿之介 河井酔茗 蒲原有明 ÷ こちらは最新の詩集、水島英己『楽府』(思潮社、二〇〇八年)。「山帽子」の冒頭。 なにもすることのない日がいつかはやってくる なにもわからずにこの世界に泳ぎ出した日が終わる 慈眼寺の門前には無断で入るな、散策するなという看板がある 無断で生れ、散策するように生きてきた あの世を管理する権力 この世を管理

    日本象徴詩集 | daily-sumus
  • 『日本の象徴詩人』窪田般弥 - うちゅうてきなとりで

    ヨーロッパの象徴主義運動を解説した後、日における受容や、日の象徴詩について考える。前提となる知識が足りないので、読みにくかった。 エドマンド・ウィルソンによれば、「フランスの象徴主義の運動は、ロマン主義者が手をつけずにいた韻律の諸法則を破壊し、ロマン主義者たちが、なお非常に尊重していた伝統的な古典主義の、明晰と論理を完全に放擲することに成功した」。 一九〇五年、上田敏による翻訳詩集『海潮音』が出版された。 明治の洋風ディレッタントだった上田敏について。 彼の訳詩集の問題点は、象徴詩が音楽と密接に結びついているにもかかわらず、古語や雅語を用いざるをえなかったことである。音楽にかんしては成果は得られなかったが「造形」、かたちにかんしてはかなりの成功をおさめた、と窪田は書く。 象徴詩と音楽……オスモン婦人曰く「映像および音楽によって暗示を求める創作」、エドマンド・ウィルソンはポーの言葉を引

    『日本の象徴詩人』窪田般弥 - うちゅうてきなとりで