Jurgis Baltrusaitis〔ユルギス・バルトルシャイティス/ユルジス・バルトルシャイテス〕、1903〜1988。ジョナス・メカスなどと同様の、リトアニア生まれで、主に中世を専門とした美術史家であった。 義父であるアンリ・フォション(1881〜1943)の影響を受け、フォションやアンドレ・シャステル(1920〜1990)、グロデッキ、ガントナー、エドガー・ヴィント、あるいは新しい所では1943年生れのホルスト・ブレーデカンプといった連中と共に「グロテスク」や「ロマネスク」、あるいは「ドロルリィー」(=滑稽図)といった出世に不向きな対象を、既成概念で安易に退けることなく、深く広く研究し、『アベラシオン』だとか『アナモルフォーズ』、『イシス探求』・『鏡』・『幻想の中世』といった著書に、類まれなる達成を魅せている。 J・D・サリンジャーやトマス・ピンチョン並に正体・実像が不明で、多くの