クリックして拡大する陸上自衛隊霞目駐屯地では、一時避難していた被災者らが次々にヘリコプターに乗り込んだ=13日午前、仙台市若林区 (中鉢久美子撮影) 東日本大震災での自衛隊の派遣態勢をめぐり、菅直人首相が唐突に増派人数を打ち出している。被害の甚大さが日を増すごとに明らかになり、人命救助が時間との戦いであることも事実で、増派自体は妥当だ。だが首相は政治主導を示そうとして、防衛省と十分に相談することなく「自らが数字を指示することにこだわりすぎている」(防衛省幹部)ため、防衛省・自衛隊に混乱を与えている。 「12日夜までに6万5千人態勢となったが、一両日中に10万人態勢を整える」 北沢俊美防衛相は13日午前、記者団にそう述べた。ところが同日夜になり、防衛省は「一両日中」としたはずの10万人態勢の完了時期を「1週間をメドに」と後退させた。朝令暮改とはこのことで、「自衛隊の運用に通じていない」(自衛