高温のガス、灰、岩からなる火砕流が、インドネシア、ジャワ島中央部にある活火山ムラピの斜面を流れ落ちる。(PHOTOGRAPH BY TOM PFEIFFER, VOLCANO DISCOVERY, GETTY IMAGES) 火山が噴火した際に、多くの死者が出る原因の一つとなっているのが火砕流だ。高熱のガスや灰、岩屑などが混ざり合って斜面を流れ下る現象で、その奔流の温度は約700℃、スピードは時速80キロを超える。 予測することも逃げることも難しい現象だが、火山に近いコミュニティを守るうえで、火砕流の仕組みを理解することはきわめて重要だ。たとえば、火砕流は想定以上に遠くまで達することがよくあるが、その原理はこれまでわかっていなかった。(参考記事:「火山雷で辺境の噴火を監視できる可能性、最新研究」) この疑問への答えを提示する新たな研究成果が、4月8日付けで学術誌『Nature Geosci