第3次ブームにある「人工知能」 松尾氏は、「現在、人工知能は第3次ブームの時代にある」と話を切り出した。第1次人工知能ブームは1960年代の推論・探索の時代。80年代の第2次人工知能ブームである知識表現の時代を経て、2010年代の現在の第3次ブームは機械学習、ディープラーニング(Deep Learning)の時代だ。 「ディープラーニングにより、十数年できなかったことが、この2、3年、急速にできるようになり、破壊的なイノベーションが起きている」と松尾氏は言う。 ディープラーニング革命は【1】画像認識【2】運動の習熟【3】言語の意味理解――の順で進んでいる。 【1】の画像認識の難しさを理解するために、例えばイヌ、ネコ、オオカミをコンピュータで見分ける場合を考えてみる。 「耳が垂れている、目が長い→イヌ」「耳がとがっている、目が丸い→ネコ」「耳がとがっている、目が長い→オオカミ」となる。しかし