「世界シェアNO.1の部品を作っている中小企業の社長」「欧米を舞台に活躍する染物師」「世界中のIT技術に欠かせない特許を持つ職人さん」…。 以前、「知られざる日本の偉人」たちを引っ張り出す番組を担当していたことがある。 手強い「偉人」たちに四苦八苦 この人たちは、外国のメディアにはしばしば紹介されるのだが、日本のテレビには出ない。扱うものは国外向けだから、日本で知られるメリットはあまりない。むしろ顔を知られたりすれば行動の自由を失う。下手をすれば、わけのわからない団体が寄付しろと押しかけてきて、家族にも迷惑が及ぶなどデメリットの方が多い。 番組関係者は専門コーディネーターを雇い、説得して、苦労の結果ようやく出演OKをもらう。しかし問題はここからだ。 天才肌の人は概してしゃべりを得意としていない。偉大な業績の大筋はVTRとナレーションで説明するが、ご本人の仕事への情熱や成功した瞬間の感動など