現在、私たち多摩美術大学ユニオン(プレカリアートユニオン多摩美術大学支部)は、多摩美術大学に対して、非常勤講師や嘱託職員など、いわゆる非正規雇用の職員に対して、科学研究費助成事業(以下、科研費)への申請資格を付与するよう、訴えを行っている。2021年から継続的に4回の団体交渉を実施し、現時点で解決の糸口は見えていないが、同様の改善要求に関心のある方々への記録のために、ここに現状報告を行う。 多摩美支部とは はじめに、当ユニオンの概要を説明したい。ユニオンは2019年にプレカリアートユニオンの支部として設立された。現在は、芸術学科非常勤講師の小田原のどかが支部長、共通教育非常勤講師の私が副支部長、匿名で活動に参加している嘱託職員の書記長、さらに組合員として彫刻学科教授の笠原恵実子が在籍し、4名で活動している。 当ユニオンが設立されたきっかけは、2019年に発生した笠原恵実子教授の強制配置換え