1 本日、東京高等裁判所(大善文男裁判長)は、袴田巖氏の第二次再審請求事件について、静岡地方裁判所の再審開始決定を支持し、検察官の即時抗告を棄却する決定をした。袴田氏の再審を当初より支援してきた当連合会はその内容及び迅速な審理とともに本決定を高く評価する。 2 袴田事件は、1966年(昭和41年)6月30日未明、旧清水市(現静岡市清水区)の味噌製造会社専務宅で一家4名が殺害された強盗殺人・放火事件である。同年8月に逮捕された袴田氏は、当初から無実を訴えていたが、過酷な取調べを受けた結果、パジャマを着て行ったと本件犯行を自白させられ起訴された。ところが、事件から1年2か月後の一審公判中に、多量の血痕が付着した5点の衣類が味噌タンクの中から発見され、検察官は、犯行着衣はパジャマではなく犯行途中で着替えてタンクに隠した「5点の衣類」であると冒頭陳述を変更、裁判所もそのとおりに認定して、死刑判決を