山形県の蔵王山系で、冬の風物詩「樹氷」となる針葉樹アオモリトドマツの葉が、大量発生したガの幼虫に食べられる被害が深刻化している。 東北森林管理局によると、被害は山形市と山形県上山市の計135ヘクタールの範囲に点在。特に樹氷観賞の拠点となるロープウエー・地蔵山頂駅付近の15~20ヘクタールで被害がひどく、葉がほとんど食い尽くされ、枝がむき出しになっている。地蔵山周辺は蔵王国定公園の特別保護地区。木が枯死する恐れもあるが、有効な手立てはないという。 食害の原因は、ガの一種のトウヒツヅリヒメハマキだ。夏から晩秋にかけて幼虫が針葉樹の葉を食べる。大量発生の理由は分かっておらず、蔵王では前例が無いという。 東北森林管理局の担当者は「生態系への影響を考えると薬剤散布は難しい。ライトでおびき寄せて捕獲するなど、できることからやっていきたい」と話した。 「アイスモンスター」と呼ばれる樹氷は、アオモリトドマ