物心ついたときから、他の子よりも動作がトロい、周りが見えてない、物事を覚えるのが遅い、としょっちゅう母親に怒られる‥というより癇癪を起こされていた。小学校に入っても、ハーモニカがうまく吹けない、漢字や計算のドリル、作文が時間通りに仕上げられないと毎日のように終業後も残されて、やっと解放されて帰宅すると、母に正座されられた上小一時間説教された。 そういう有様だったから、当然のようにいじめられた。たまに一度も殴られも蹴られもせずに済む日があると、「今日はツイてた!」と内心大喜びしたものだった。母は私が泣いて帰る度に「どうしてやり返せないの?」「あなたがちゃんとしないからいけないのよ」と嘆いたり愚痴ったりした。チョークの粉まみれになった私の頭上めがけて、「どうしてもっとしっかりしないの!」と畳んでいた洗濯物を手当たり次第に投げつけたこともあった。 そんな当時の一番の安らぎといえば、漫画や偉人伝を
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