【ソウル=水沼啓子】「これまでとてもつらかった。あまりにも多くの人を苦しめた。本を読むこともできない」-。こう遺書を残して死亡した韓国の盧武鉉前大統領。韓国南部・慶尚南道金海市郊外の自宅近くにある烽下山の岩から飛び降りたとされる。 烽下山は前大統領が子供のときによく遊んだ山だという。貧しい農家の5人兄弟の末っ子として生まれた前大統領。最終学歴は高卒。建設現場で働きながら苦学の末に弁護士になり、ついに大統領の地位まで上り詰めた立身出世の人物だ。子供のときにのぼり、大志を抱き将来の夢も語ったであろう自宅の裏山で、前大統領は人生の幕を自ら閉じた。 烽下山は自宅から直線で200メートルほどの距離にある。以前はミミズクが多く生息し、よく鳴き声が聞こえたことから、地元住民の間では「ミミズク岩」と呼ばれる20~30メートルの切り立った岩があり、そこから飛び降りたとされる。 韓国の聯合ニュースは、関係者の