経済のグローバル化と社会状況の急速な変化に経済政策が追いつかない。「耐用年数を超えた」産業構造が大ダメージを被りかねない労働人口の減少を前に、経済底上げの切り札として政府の「IT」に寄せる期待感は再燃している。 ブロードバンドが普及しても「IT」は隅々にまで届かない 「少子高齢化による労働人口の減少」と「国際競争力の相対的な低下」というダブルパンチに日本経済が見舞われて久しい。政府がテコ入れ策として「1人当たりの生産性向上」を声高に主張しなければならない状況はなお続いている。働き手が減るわけだから、1人当たりが同じ労働時間でより大きな価値を生産しなければ経済回復が追いつかない、という理屈だ。 加えて日本には「成長分野の創出」という課題もある。経済のグローバル化によってアジア諸国がめざましい躍進を見せているのと対照的に、圧倒的な国際競争力を保っていた産業分野を日本は次々と手放す結果となった。