【ワシントン=小川聡】米国の日本問題専門家らの間で、沖縄の普天間飛行場移設問題を巡るオバマ政権の厳しすぎる対応が、鳩山首相を辞任に追い込んだとする論評が相次いでいる。 スティーブ・クレモンス新アメリカ財団戦略問題部長は1日、自身のブログに「ハトヤマを引きずり降ろすオバマ」と題する論文を掲載し、「オバマ大統領は、会談に応じないといった氷のように冷たい対応を維持して、鳩山首相に強烈な圧力をかけた。首相はその圧力に耐えることができなかった」と分析した。 外交問題評議会のシーラ・スミス上級研究員も2日、「(日本の)民主党は米軍基地の駐留に関して従来とは異なる対応をしたいと願っており、米側はこの問題の繊細さにより深い配慮が必要だ」と指摘した。 米政府筋は、「オバマ政権は十分に辛抱強く対応したし、辞任は国内問題が原因だ」と反論している。
筆者はそれが本当なら(長年信憑性において確かな複数ソースが同様に言うので本当だと思う)、むしろ米国大統領の真摯さを示す証左だと感じる。 オバマ氏には、鳩山氏をすっかり遠のけ、視線を合わせすらしないことが可能だった。そうする代わりに少なくとも真っ直ぐ相対し、人間対人間の平等な立場で怒りをぶちまけたわけであるから。 大統領がこうだということは、国務・国防両省とホワイトハウスで日本を担当するアライアンス・マネジャーたち(同盟を保守発展させる役目の人々)が鳩山氏とその政権をどう見ているか、容易に推して知るべしだ。 日米同盟を支える人的基盤は大きく蝕まれてしまった。WEDGE Infinityというサイトに、ワシントン・ウォッチャーとして定評のあるクリス・ネルソン氏(Christopher Nelson)がこのところコラムを載せているけれど、近々このあたりの内実を書いてくれないか密かに期待している。
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現下政局の焦点は、鳩山由紀夫総理と小沢一郎・民主党幹事長の真実の関係がどうなっているかだ。 普天間問題をめぐり、内閣支持率が急速に低下しているため、民主党参議院議員のうち今回改選になる議員が「このままでは戦えない」と小沢幹事長に泣きつき、それを受けて、鳩山下ろしに小沢幹事長が走ったという見方が主流だが、この見方はあまりに皮相だ。このような情勢論の位相で情勢分析を行っても、問題の本質は見えてこない。 情勢論で議論するならば、 「ここで誰を次の総理にするのか。菅直人副総理(兼財務大臣)を新総理にしても、辺野古への普天間移設を決定した閣議了解に署名している。普天間問題で総理の交代が起きるのであれば、筋が通らないではないか」 「菅副総理は元全共闘活動家だ。あの連中は本質においてマキャベリストだ。小沢幹事長が因果を含めて総理に据えても、しばらく経てば『政治とカネ』の問題を口実に、小沢排除に動くのでは
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