今国会に、放送への外資規制を強化する法案が出るという。ライブドアの買収を「外資の間接支配」ととらえる時代錯誤は救いがたい。こういうルールを適用すると、ソニーもトヨタも「外資系」としてひっかかってしまうだろう。 かつてもNTTの大株主に外資がなったとき、「通信主権」なるものが論じられたことがあったが、具体的にどういう弊害があるのかわからないため、立ち消えになった。放送の場合も、外資の出資している会社が20%以上の株式を持ったら、番組の内容に影響が及ぶのか。 こういうとき必ず出てくるのが「電波は有限だ」とか「公共の財産だ」という話だ。世の中に無限の財産などない。有限だからこそ、特定の企業に独占させないで新規参入によって有効利用するのが市場メカニズムである。外資を差別する理由はない。