独禁法では売り手側の独占(monopoly)と同様に、買い手側の独占(monopsony)も違法であると考えられています。 独禁法2条4項でも、供給する競争(売る競争)と供給を受ける競争(買う競争)が並列的に並べられており、売る競争も買う競争も制限されれば同様に独禁法上違法であるという態度が伺われるとも言えます。 それではなぜ買い手独占は問題なのでしょうか。 これを誰にでも分かるように説明するのは、実は簡単ではありません。 一言で言えば、資源の効率的な分配が害されるからなのですが、経済学を知らない人にはなかなか理解してもらえません。 さらに、売り手側のカルテルは競争価格よりも値段が上がるから悪いのだと(ある意味素朴に)考えている人にとっては、買い手側のカルテルでは競争価格よりも値段が下がるから悪いのだといっても、「値段が下がるのにどうして悪いのだ」と反発を受けてしまいます。 分かり易いよう