歩くという行為に魅せられた冒険者は、世界の隅々まで足を運び、新たな発見を得る。それが未開の地であろうと、多くの人が足を運ぶ場所であろうと、日数をかけて歩くと、頭がスッキリして、自分の価値観が明白になる。本書の著者、小島聖は歩くことで何をみつけたのだろうか。 彼女が最初にトレッキングに魅せられたのは、初めて訪れたネパールでのこと。カトマンズ市内を観光し、ポカラ観光、そしてアンナプルナ側のナヤプルからプーンビン(標高3198メートル)までのトレッキング、チトワン国立公園でサファリという旅程で自然に身を委ねた。すると、「潜在意識のある一部分を開花させてくれた旅」となった。 ネパールを好きになったら、通わずにはいられない。翌年もネパールを訪問し、目的はトレッキングに絞られた。ルクラ(2860メートル)という、エベレスト街道の玄関口から、シャボンチェ(3780メートル)までのトレッキングでは、視野の