邪馬台国の有力候補地・纒向(まきむく)遺跡(桜井市)で、女王・卑弥呼の時代と重なる3世紀中頃の土から、ハーブの一つ「バジル」の花粉が、奈良教育大の金原正明教授(環境考古学)らの調査で確認された。国内でバジルが見つかった最古の例で、東南アジアから中国を通じて伝わったとみられる。同遺跡の国際交流を示す資料として注目される。(岡田英也) 同遺跡中心部で、1991年に行った発掘調査で排水溝(長さ6メートル、幅1・5メートル)が見つかり、土を採取した。顕微鏡で調べたところ、微量のバジルの花粉を検出した。 花粉は、直径0・07ミリで内側が八つに分かれている円形。メボウキ属に分類され、東南アジアに近い種類があるという。同じ土からは染色に使ったとみられる大量のベニバナの花粉も見つかっていた。 バジルは、インドからヨーロッパに渡った種がイタリアで香辛料として用いられ、世界中に広がった。日本には自生しておらず