観光政策を語るとき、しばしば「日本人のホスピタリティ」神話のようなものが持ち出され、「日本人のホスピタリティの高さは世界に通用する」なぞという言説がなされる。しかし、私は殊に最近、そのような論は全くの間違いだと思い始めている。 島国かつ農耕民族からスタートした我々日本人は、伝統的に「同質的な社会」好む傾向があるのは、皆さんもご存知のとおり。定住型のライフスタイルであるが故に地域ごとに「ムラ」を形成し、外部からの来訪者に対しては高い警戒心を持って望む。また、ムラ内部での同調圧力(同質化を強要する圧力)も非常に強く、一旦、異質性を感じるとムラ全体でそれを糾弾し、異質物の排除を試みる。そこには、異なる文化や意見を持つ者に対する「寛容さ」や「共生の精神」はあまりない。 一方、観光というものは地域全体で「客人」を迎える行為に他ならず、異なる文化を持つ者に対する寛容さと尊重が不可欠である。そういう意味
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