「博士が100人いる村」という話をご存知でしょうか? 日本の大学院博士課程修了者を100人の村にたとえ、博士課程を修了した人がどんな道に進むのかを描いた作者不明の創作童話です。 その中で「教授になれる可能性を秘めたエリートの卵」と紹介されていたのが「ポスドク」。しかし、本当に教授になれるのはほんの一握りで、それどころか民間企業への就職さえ難しいというのが現実です。 ここでは、任期付きという不安定な身分で研究活動を続けるポスドクの現状と転職事情について説明していきます。 不安定な身分、将来展望も描けない 「ポスドク問題」とは ポストドクター(ポスドク、博士研究員)とは、大学院の博士課程を修了したあと、大学や研究機関で任期付きの職に就いている研究員のことです。 任期制という雇用形態上、ポスドクは非常に不安定な身分に置かれています。業績を上げることができなければ任期切れとともに雇い止めとなること