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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (23)

  • プロマネ必読!「アポロ13」

    「アート・オブ・プロジェクトマネジメント」で強くオススメされてたので読む ―― これはスゴい。ドキュメンタリーとして夢中になって読めるだけでなく、プロジェクトが危機に陥ったときの「べき/ベからず集」しても、ものすごく有効な一冊なり。 どうしようもない状況、限られた時間、非常に高いリスク、疑わしい解決策…プロジェクトがパニックに瀕したとき、優れたプロジェクトマネージャは何を考え、どう行動するかを知ることができる。書を通じて学んだ危機管理マネジメントは、次のとおり。 プロジェクトが危機的状況のとき、あらゆる手段を使って、自分の感情をコントロールせよ。感情は事実をゆがめ、判断を誤らせ、解決への手段の一つ一つに邪魔をする 「危機」は、すぐに数字にならない。必ずタイムラグが発生している。だから、危険な数値が今出ているということは、既に危機的状況に突入している、ということだ 問題に対処するとき、絶対

    プロマネ必読!「アポロ13」
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 劇薬小説【まとめ】

    はてな「読後感サイアクの小説を教えてください」で教えていただいたものを、読んできた。質問[ここ]からピックアップしている。過去のエントリ「劇薬小説を探せ!」を元ネタにして、これまで読んできた劇薬小説をまとめてみる。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― 劇薬小説とは 読了して後味の悪い思いをした小説を指す。読んだことを激しく後悔するような、いやあぁぁぁな気分にさせてくれる。下らなくて情けなくなる「壁投げ」ではない。また、マンガを含めると莫大になるので、対象外とする(ちなみに劇薬マンガNo.1は日野日出志「地獄の子守唄」)。 エロだったりグロかったり、救いがなかったり 大の大人なのに怖くて夜に読めなかったり 読了してヘコんだり、生きる気力が奪われたり 生理的にクるものに、おもわずマジ嘔吐したり その後、人生のトラウマと化したり 小説はしょせん絵空事。リアルで

  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 「アート・オブ・プロジェクトマネジメント」読書感想文【まとめ】

    ITプロジェクトのマネジメントにおいて、書はまさに宝の山といえる。 一回の探索では持ちきれないほどのアイディアがザクザクと手に入る。しかも、ひとつひとつの宝が、著者の経験に裏打ちされ、考え抜かれているため、一回読みでは消化不良を起こす。それぞれのフェーズで読み返すことで、順番にモノにしていくやり方が良いかと。 このエントリでは、自分の振り返り読みのために、読書感想文エントリの目次と、次に読むべき・サイトのをまとめた。わたしだけでなく、誰かの参考にもなればイイナ! その1 ・オーバービュー その2  1章「プロジェクトマネジメントの簡単な歴史」からの考察 ・PMにとっての最重要ツール ・アート ―― 技芸と呼ぶ理由 ・ホワイトボード地獄 その3  2章「スケジュールの真実」および、 3章「やるべきことを洗い出す」からの考察 ・何のための開発プロセスか? ・見積もり確度を上げる2つの質問

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 「アート・オブ・プロジェクトマネジメント」読書感想文【まとめ】
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 「アート・オブ・プロジェクトマネジメント」読書感想文(その1)

    最近、マネジメント系の仕事ばかり振られるようになったので、予習のつもりで一読 したが、これはスゴい。読んでる途中から振り返り読みを繰り返し、再読も再々読もしなければならないことに気づいた。書で紹介されるアート(技芸)は、How to モノと大きく異なり、根っこから考え→実践に適用し→フィードバックが必要なものばかり。 あ、最初に結論を述べておくと、これは今年のNo.1スゴなり。ふり返ると「No.1スゴ」の称号をいくつかの書籍につけてきたが、書は間違いなくNo.1だと言い切れる。読み手の経験に応じ、必ず得るものがある。概要はamazon紹介文をどうぞ(太字はわたし)。 「ものごとを成し遂げるためには何を行う(あるいは行わない)べきか」という実用的な視点からプロジェクトを捉えて、ものごとを成し遂げるための考え方やヒントを、スケジュール、ビジョン、要求定義、仕様書、意思決定、コミュニケー

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 「アート・オブ・プロジェクトマネジメント」読書感想文(その1)
  • 涼宮ハルヒの将来

    ツンデレについて嫁さんと語りあってるうちに紹介された一冊。「ハルヒだルイズだとウルサイわね!これでも読んでなさい!」と一喝され、一読… こ、これは、涼宮ハルヒの10年後だっ→「魔天楼 ── 薬師寺涼子の事件簿」(田中芳樹)。 薬師寺涼子──絶世の美女、27歳。警視庁刑事部参事官の警視、東大法学部卒。在学中に司法試験、外交官試験、国家公務員 I 種試験に合格。フランス語、英語を流暢に話し、スペイン語、ラテン語にも通じている。格闘技に通じ実戦でほとんど負けたことが無い。性格は協調性が皆無、傲岸不遜、傍若無人、天上天下唯我独尊 ドラキュラもよけて通るという意味の「ドラよけお涼」の異名を持つ。つまり、彼女の行くところ摩訶不思議な事件ばかり。嫁さんによると、ドラゴンもまたいで通る意味で「ドラまたお涼」とも呼ばれているらしい。 そんな彼女が、「助手A」「付き人」「下僕」…とさまざまな名前で呼ぶ泉田クン

    涼宮ハルヒの将来
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 名著!「デッドライン」

    長くなりすぎたこのエントリのレジュメ …というか、見出しの一覧。これ見てご興味ある方はお読み下さいませ。 マネジメントの4つの質 マネジメントおける簡潔で痛切なエッセンス(一部) 設計とデバッグに関する恐ろしい事実 残業と生産性とプレッシャーに関する恐ろしい事実 生産性の測定について 管理者の怒りについて 会議を効率よく行うための、たったひとつの冴えたやりかた 大事なことが、ずばり書いてある。背中を押したのは「ソフトウェア開発の名著を読む」なんだけど、確かに名著だ。初読は物語を楽しみ、再読、再々読で血肉にすべきだな。 延ばし延ばしにしてた一冊を読み始めて「どうして今まで読まなかったんだあぁぁっ」と叫びだすような逸品がある。書がまさにそう。デマルコは「ピープルウェア」がピカイチと決め付けてた自分が恥ずかしい。 「ピープル」がプログラマ・チームリーダーの視点で書いているが、「デッドライン」

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 名著!「デッドライン」
    j708
    j708 2006/09/14
  • 図書館を利用するようになるまでの20ステップ

    昔はアンチ図書館派、「は身銭を切って買うもの」と激しく思ってた。 棚に二段、三段と詰め込む(奥が単行、手前を文庫にすると両方見える) 床に積む(最初はタワー乱立→そのうち山脈のようになる:いわゆる積ン読ク山) カラーボックスを押入れに積んで、押入れを棚化する ダンボールに詰め込んで、押し入れに入れる(縦に入れるのがミソ) (積ン読ク山で)ドアが開かなくなる 床が見えなくなる(正確に言うと、床の色を思い出せなくなる) ちょっとした地震でが凶器になる。位置エネルギーの破壊力を思い知る:棚【の上】にを積んではいけないことに気づく 押入れの底が抜ける 床が抜ける イナバの物置を買う 近所に家を借りて置き場(≠書斎)にすることを考える(が、もったいないのでその金を代につぎ込む) トランクルームを借りるが、カビさせる(このへんで背が見えるように保管しないと持ってても意味がないことに

    図書館を利用するようになるまでの20ステップ
  • 子どもに絵本以外を与えてみる:「地球家族」

    ひらがな・カタカナが読めるようになって嬉しい。読み聞かせせずとも勝手に読んでくれるのでありがたい。しかし、いつまでも「ぐりとぐら」と「ウルトラマンメビウス」では能がないので、ふつう読まないようなを与えてみる。 …とはいうものの、字よりも絵・写真がメインで、何らかのテーマ・メッセージが強力なやつが面白かろう。今回与えたのはコレ→「地球家族――世界30か国のふつうの暮らし」 何が楽しいかというと、以下のテーマで「ふつうの暮らし」を撮ったところ↓ 「申し訳ありませんが、家の中の物を全部、家の前に出して写真を撮らせてください」 目を疑うが、ホントに全部出している。極限までモノが無い家もあれば、モノだらけでカオスな家もある(どこの国かは言わずと知れている)。あるいは、モノじゃなく家畜も一緒に写っている家もある。 もちろん【家の中】の写真もあり、撮影者が泊り込んで写しだした生々しい生活模様もある。し

    子どもに絵本以外を与えてみる:「地球家族」
  • 観鈴スイッチ

    たとえば夏の入道雲を見てると、思わず涙がこぼれてしまうときがある。まぶしいからではない、思い出すからだ。あるいは、飛ばないカラスを見かけたときも。そう、観鈴スイッチだ(にははスイッチともいう)。the 1000th summer からずいぶん時間が経っているにもかかわらず、今でもふとしたはずみでスイッチが入る。 AIRの原作だと思い込んでいる「おもいでエマノン」を読んだときも一緒だった。地球の生命すべての記憶を持つ少女と、彼女に惹かれる少年たちがおりなす、せつない物語。ここでは、旅をするのは往人ではなく、観鈴のほう。記憶を保ったまま転生をくり返しているため、名は意味を成さない。だから自らを「エマノン」と名乗る――「エマノン」="EMANON" を逆読みすると "NONAME" 即ち "No Name"――この独白は今なお刺さる。 一番確かで、誰にも変えようがなく、感動させられるものは、その

    観鈴スイッチ
  • 子ども兵──「見えない」兵士たち

    このエントリのまとめ 子ども兵とは、男女問わず18歳未満の子どもの兵士のこと(Child soldier)。その姿は、発展途上国の武力紛争で見られ、物資の運搬や事等の作業のみならず、実際の戦闘、かく乱、誘拐、スパイ活動、さらには自爆テロの弾頭として「消費」される。少女の場合は、兵士に「」として与えられ、性的虐待にあったり、身の回りの世話などをさせられたりすることが多い。 子ども兵は成年兵と比べ安価で使い捨てが可能であり、政府側も反対勢力側も、拉致したり誘拐したり唆したりして、動員する。ただし、各組織は、子ども兵があってはならない存在だと認識しているため、国連やNGOの調査に対して、子ども兵など存在しないと答えており、実態は隠されている。子どもは紛争の中で運良く生きながらえても、成年兵へと姿を変えて見えなくなっていく。 生き長らえる子どもは少数で、命を落とすことによって、文字通りこの世の

    子ども兵──「見えない」兵士たち
  • 子どもに死を教える4冊目

    テレビからは、注意深く「死」が除かれている。 高速道路で居眠り運転した結果の映像には、車の残骸(よくて黒染み)しか残らない。ボウケンジャーは不死身だし、ツインストリームスプラッシュの直撃を受けても浄化(還元?)されるだけ。 おかげでわが子が見かける「死」は昆虫の死骸か、道端のペチャンコな轢死体ぐらい。こないだ家族みんなで参列した葬式ぐらいかね、ちゃんとした死体を見たのは。今も昔も同じ密度で存在するにもかかわらず、「死」が見当たらない。子どもに死を教える最高の現場は葬式だな、などと言ったら不謹慎だが、そうめったにあるものでもなし。 ガッコのベンキョも大事かもしれんが、誰もが必ず死ぬことを、そして自分も例外ではないことを受け止め、その上で「よく」生きていくことを考えてほしーなー、などと企む馬鹿親は、子どもに死を教えるなどを探しては読み聞かせる。 その選りすぐりが、「子どもに死を教える三冊」。

    子どもに死を教える4冊目
  • 「ソフトウェア開発の名著を読む」を読む

    「めいちょ」と銘打たれるとなかなか手が出せないもの。大著であることも多いし、何より難しそうなイメージが先行してしまう。さらに、たいていは「古典」…なので、書店で平積みになってる賞味期限 1 年のハウツーみたく目に入ってこない(←こちらからアプローチをかけないと手に入らない)。 というわけで敬遠していた方へ朗報。「ソフトウェア開発の名著を読む」で手軽に「めいちょ」の品定めができる。この手のカタログだと、「コンピュータの名著100冊」が有名だが、これはたったの8冊の紹介、しかも新書なので30分で読める。 しかも、言語は問わない。もちろん FORTRAN や Pascal といった「古語」のコードが出てくるが無問題。伝えたい何か、例えば「プログラミング作法」や「よいコードを書くための習慣」を表現するための、レトリックとしてのコードなのだから。 とどめは、昔から、誰からでも、何度でも指摘されて

    「ソフトウェア開発の名著を読む」を読む
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: もしあなたが週60時間以上働いているとすれば、父親として役に立たない。息子が問題をもつようになったら、それはあなたのせい

    もしあなたが週60時間以上働いているとすれば、父親として役に立たない。息子が問題をもつようになったら、それはあなたのせいだろう お題は次の文に続く──「父親はきちんと家に帰ってきて、こどもと一緒に遊んだり、笑ったり、じゃれあったり、ものを教えたりする必要がある」 のっけからショッキングな断定文が続くが、読み進めて納得した。「男の子って、どうしてこうなの?」は、異性である息子を育てるのに途方にくれる母親たちへの福音書かもしれないが、父親が読むと考えを改めさせる指南書なのかも。 けれども会議が、出張が、締め切りが、なんて抗議の声は上げられる。生活を成り立たせるための仕事を放り出したりすれば末転倒ではないかと。同意、わたしもそうだから。それでもココロのどこかで知っている、ものごとには、取り返しがつくものと、つかないものがある。そして、代替の利くものと、利かないものがある。取り返しがつかないもの

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: もしあなたが週60時間以上働いているとすれば、父親として役に立たない。息子が問題をもつようになったら、それはあなたのせい
    j708
    j708 2006/08/08
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 本を探すのではなく、人を探す

    長くなりすぎたこのエントリのレジュメ:選の肝はではなく、人を探すこと。わたしが知らないスゴは、それこそ百万冊ある。そのそのものを探すのはとても難しい。しかし、百万冊のスゴは間違いなく誰かに読まれている(それは"あなた"かもしれない)。だから、スゴを読んでいる"あなた"を探す。このblogの究極目的も、そう。 メールやコメントでいただいた、以下の質問に答えてみる。誰かの参考になれば。 【質問】 Q1 たくさんを読んでるようですが、速読をやっていますか? Q2 あるいは読書術のようなものはありますか? Q3 読むはどうやって探していますか? 【回答】 A1 速読を練習したことありますが、実践してません A2 「目的を持って読む」に尽きます A3 ではなく、人を探します は目的を持って読む あたりまえだとツッコミがくるだろうが、わたしはできていない。漫然と読んでるとあっという

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 本を探すのではなく、人を探す
  • 徹夜本「復讐する海」

    徹夜するほど面白かった小説企画。「徹夜するほど面白かった小説」で知った「復讐する海」を読了、これはスゴい。ありがとうございます、Bさん。 ただし、ボリュームは無いので徹夜するまでもなし。しかも開始早々度肝を抜かれ(予備知識ゼロで手にしたのだ!)→以後イッキ読み→気づいたら終わってた、幸せな読書体験…というのは真っ赤な偽り。 幸せと評したが、マチガイ、 これを読めば地獄体験ができる。 特に、この後に読むの禁止。 さらに、心臓の弱い方もやめておいたほうが吉。 怒ったマッコウクジラに体当たりされ、沈没させられた捕鯨船の話は、『モービィ・ディック』が有名だが、当の悲劇は「白鯨」のクライマックスから始まる。捕鯨船から脱出したのは20名――そのうち、生き残ったのはわずかに8人――赤道直下の太平洋で起きた極限状況を綿密な調査の下に描いたノンフィクション。2000年の全米図書賞を受賞。 紹介文

    徹夜本「復讐する海」
    j708
    j708 2006/07/20
  • 要求仕様戦争(その3)

    ■仕様書をどうこうする――「要求」の見える化 「要求を仕様化する技術・表現する技術」がオススメ。「要求とは」「仕様とは」からはじめて、仕様戦争までの経緯、回避するための具体的施策までが分かる。「Excel を用いた仕様書」はなかなか興味深い。 著者は「要求」と「仕様」の関係をロジックツリーに見立てる。こんなカンジ。仕様1~n を実装すれば要求Aが実現する、という仕掛けだ。 ┌───┐ │要求A │ └┬──┘ ├─仕様1(スペック1-1,1-2,1-3...) ├─仕様2(スペック2-1,2-2,2-3...) ├─ … └─仕様n(スペックn-1,n-2,n-3...) まぁ、こんなにキレイにならないだろうが、「このスペック(群)で"やりたいこと"は実現していると言えるのだろうか?」という視線が、どのフェーズでも配れるという点は素晴らしいと思う(実際に目配りするかどうかは別として)。

    要求仕様戦争(その3)
  • 要求仕様戦争(その2)

    ■要求どおりに動かない、書いたとおりに動く 「こんなときどうします?」なんて律儀に訊いてくるプログラマならまだいい。その度に顧客と丁丁発止して決めりゃいいから。しかし、世の中には律儀じゃないプログラマもいる。律儀じゃないプログラマは、いちいち確認しない。結果こうなる。 「書いたとおりに作りました」 「書いてあることしか作っていません」 「書いてないことは作りこんでいません」 「書いてないことは何がおきるか分かりません」 つまり、メインルートから外れると何が起こるか(書いた人も)分からないブツができあがる。あるいは良かれと思ってプログラマが仕様を創造することにある。経験豊かで優秀なプログラマが先回りすると喜ばれるが、失敗して「よけいなお世話」を作りこんでしまう場合もある。 あるいは、最初からこうなることを承知の上で、「書いてないもの」を実装するために別料金を請求するベンダーもいる。いわゆる

    要求仕様戦争(その2)
  • USBメモリを用いたソーシャル・エンジニアリング

    ソーシャルエンジニアリングの第一歩は、「組織内の人に化けること」にある。イーサン・ハントみたく化けの皮を被る必要もない。もっと重要なのは、機密ではないが、組織内の人しか知りえないような情報を知っていること。例えば座席表やビルドサーバの名前だとか。 ひとたび組織内の人に化ける情報を得たならば、攻略はぐっと楽になる。「欺術」を参考に潜入を進めることができる(ホントにやっちゃダメよ)。ここでは、USBフラッシュメモリを使って最初のハードルを効率的に超える方法を考えてみよう。 オフィスの受付窓口の片隅や、社員堂(外の人も入れる)の廊下でUSBメモリを拾ったら、どうするよ? USBメモリなんてありふれているし、最近じゃオサレな奴やカワイイ系まで出回っているぐらいだ。誰かが落としたんだろうな… で、何が入っているのだろうか? で、自分のPCに挿してみる…が、すぐに覗けない。それぐらい知ってるって、し

    USBメモリを用いたソーシャル・エンジニアリング
  • 「欺術」――ヒューマン・ハッキング・クックブック

    コンピュータの名著100冊[参照]で推されて一読、スゴいね、これ。 いわゆる、コンピュータやネットワークの脆弱性を狙った正攻法クラッキングなら多々あれど、これはソーシャルエンジニアリングの事例集。ねとらん無用の逸品だ。 ショルダーハッキングからハードウェアハッキングまで、19の手口が具体的に挙げられている。そして、全てのパターンにあてはまる共通項がある。それは、人間こそが攻略のカナメだということ。 認証デバイス、アクセスコントロール、侵入検出システムなどは、今の企業では必需品(日用品?)かもしれないが、そんな「守り」をいくら固めても、彼らはやすやすと突破できる。なぜなら、それらを相手にしないから。どんな防御であれ、ウィーケストリンク(最も弱い環)になるのが人間だという真実を思い知らされる。 「最も安全なコンピュータは、電源を切ってあるコンピュータだ」とは言い得て妙だが、真実ではない。ソーシ

    「欺術」――ヒューマン・ハッキング・クックブック
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: いきなりコンサルタントに抜擢されたSEが読むべき4冊目

    このエントリは、「いきなりコンサルタントに抜擢されたSEが読むべき3冊」[参照]の続きになる。 「コンサルタント」と一緒に仕事をしたことがあるだろうか? 肩書だけのなんちゃって自称コンサルではなく、McKinsey & Company や accenture といった、それでメシ喰っている連中のことだ。 彼らの阿呆ほどの猛仕事ぶりは、「マッキンゼーIT質」[参照] に書いたが、仕事の順序というか、ダンドリの要領よさについては常々不思議に思っていた。「俺たちに明日はない」という言葉がピッタリの猪突猛進なのだが、仕事のやり方は整然粛々としている。見た目のロジカルさだけでなく、コンサルティングの仕事そのものが、あたかも何かのマニュアルに従っているかのような感じがしてならなかった。 その予感はあたってた。マニュアルを見つけたんだ。それは、「情報システム計画の立て方・活かし方」。いや、その辺に転

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: いきなりコンサルタントに抜擢されたSEが読むべき4冊目