コードの緊張感や濁り度は内蔵されている音程の種類とその個数に支配されている。楽曲の和声がどのくらいの緊張感、濁り度で推移するかというのは具体的には、含まれる長短2度(7度)音程、そして増4度音程がいくつ含まれているかを数えればいいのだ。作曲のための著書にはこの実例を示すためにたびたびバッハのポリフォニーの楽曲が用いられている。そうなのだ。ポリフォニーの音楽こそこの考えが有効でまたその濁り度に偶然性がある。でもジャズスタンダードのようにコード進行が決まっているとあらかじめコードの緊張感、濁り度はかなり確定される。不確定要素はリハーモナイズによってコードが変わってしまうこと、そして使う音が個人によって違うことだ。でもこの不確定要素の占める割合は小さい。小さいというのは個人的な感覚で語弊があるかもしれないが、コード進行にしたがって演奏しているとどんなに緊張感を加えても限界はあるし、またそれで曲が