新型コロナウイルス感染症の問題が世の中に深刻な影を落とし始めて間もない2020年の春、サックス奏者の渡辺貞夫が自宅で撮影・録音したパフォーマンスを公開した。 演奏されたのは誰もが一度は耳にしたことがあるであろうスタンダード・ナンバー「スマイル」だ。 「スマイル」は1936年に公開されたチャップリンの映画『モダン・タイムス』の劇中音楽として生まれた。 作曲したのはプロの作曲家ではなく、映画で監督、役者、脚本などを手がけたチャップリン自身だ。 チャールズ・チャップリンといえば、印象的な口髭でお馴染みの映画スターで、20世紀を代表する”喜劇王”である。 サイレント映画が主流だった20世紀前半に、コメディー映画で世界的な人気を博し、その生涯で残した80本以上の映画作品は、後のエンターテインメントに多大な影響を及ぼしている。 彼は映画のテーマや骨格はもちろん、登場人物のキャスティングから小道具などに
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