ブックマーク / jp.ign.com (29)

  • 紛れもなくネコ・オブ・ザ・イヤー!『Little Kitty, Big City』レビュー

    なんといってもオープニングが秀逸である。主人公の黒マンションから落ちて街に迷い込んでしまうという流れなのだが、作の特徴を短いオープニングですべて表現できている。 黒はカートゥーンを思わせるコミカルな動きをしつつも、ネコらしい身体の変化と動きを見せてくれる。ネコとしての表現にこだわったゲームであると同時に、こういうふざけたフィクションとしての側面があると説明しているわけだ。同時に、物語の流れにもなっている。 ネコのゲームといえば『Stray』が有名だが、あちらは最終的に「このネコはロボットで、 誰かに操作されているのではないか?」と思うほど、ネコがゲームのルールに従ってしまっていた。一方、『Little Kitty, Big City』はネコの気ままさとゲームとしての遊びを両立しており、それがこのオープニングに詰まっているといえる。 米国・シアトルのインディーデベロッパーであるDou

    紛れもなくネコ・オブ・ザ・イヤー!『Little Kitty, Big City』レビュー
  • Netflix実写版『シティーハンター』レビュー 現代の冴羽獠像の創造は大成功、だが現代の「シティーハンター」としては物足りない

    闇を抱えた世界有数の大都市、新宿。煌めく街並みを真っ赤なミニクーパーで走り抜け、街の裏にうごめくさまざまなトラブルを、愛銃のコルトパイソンで華麗に解決する超一流の始末屋(スイーパー)がいる。1980年代後半から1990年代初頭にかけて一世を風靡した「シティーハンター」の主人公・冴羽獠は、その複雑で魅力的なキャラクターで、確固たるヒーロー像を作り上げた。 2019年にはフランスで『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』という実写映画が製作されたことを考えると、その影響の根強さと、当時「シティーハンター」を見ていたファンたちの憧憬の大きさがうかがえる。世界中の多くの人が、冴羽獠はかっこいい、冴羽獠みたいになりたい、と思ったのだ。 Netflixオリジナル映画である『シティーハンター』も、全体を通して、魅力的な冴羽獠をいかに現代の実写映画で表現できるかに多くの労力が割かれて

    Netflix実写版『シティーハンター』レビュー 現代の冴羽獠像の創造は大成功、だが現代の「シティーハンター」としては物足りない
    jacoyutorius
    jacoyutorius 2024/04/29
    "大作TPSの終盤マップですと言われても通用しそうなシチュエーションが展開" これなぁ、同じくNetflixの「忍びの家」もそんな感じで、そこがガッカリだったんだよなぁ
  • 『装甲騎兵ボトムズ』高橋良輔監督が明かすガンダムとの差別化、描きたかった愛の物語、虫プロ時代の手塚治虫の超人ぶりも TAAF2024でトークショーが開催

    国内外からさまざまなジャンルのアニメーション作品が集まり、上映や展示が行われる「東京アニメアワードフェスティバル2024」が3月8日から11日まで、東京・池袋を拠点に開催。アニメの発展に功績があった人を顕彰する「アニメ功労部門」を贈られた『装甲騎兵ボトムズ』シリーズの高橋良輔監督も8日、OVA作品『装甲騎兵ボトムズ ザ・ラストレッドショルダー』の上映後に登壇して、作品の思い出やアニメ業界に入って最初に師事した手塚治虫のことを語った。 『装甲騎兵ボトムズ』といえば、富野由悠季監督の『機動戦士ガンダム』と並んで1970年代末から80年代中頃にかけて一大ブームを引き起こしたロボットアニメの中心的な作品だ。スタイリッシュなモビルスーツが宇宙を舞台に戦闘を繰り広げる「ガンダム」に対して「ボトムズ」は、寸胴で顔もない「スコープドッグ」というメカに無骨なキリコという男が搭乗して戦い続ける、硬派な雰囲気が

    『装甲騎兵ボトムズ』高橋良輔監督が明かすガンダムとの差別化、描きたかった愛の物語、虫プロ時代の手塚治虫の超人ぶりも TAAF2024でトークショーが開催
  • 宮崎駿監督はすでに次回作に取り組んでいると鈴木敏夫プロデューサーが明かす「私には止められない」

    「次のプロジェクトのことを毎日考えていて、私には止められないんですよ。というか、もうあきらめました」と鈴木は言う。「思いとどまらせようという気もありません。たとえ失敗作になったとしてもね。人生において、彼を喜ばせるのは仕事だけですから」 宮崎はかつて『風立ちぬ』を最後に引退する意向を示していたが、『君たちはどう生きるか』を制作するために復帰。映画の公開後、9月には、スタジオジブリ広報・学芸担当スーパーバイザーの西岡純一が、宮崎は現在も毎日出社して次回作の構想を練っていると発言していた。 『君たちはどう生きるか』が引退作になるのか、と問われた西岡は「世間ではそういう噂もありますけれども、人は全然そう思っていなくて、今も次のアニメーションの構想をもう考えているんですよ」と返答。「だから、毎日、今も会社に来て、“次のアニメーションをどうしようか”ということを言っていますから、今回は引退宣言はし

    宮崎駿監督はすでに次回作に取り組んでいると鈴木敏夫プロデューサーが明かす「私には止められない」
    jacoyutorius
    jacoyutorius 2023/10/05
    同い年の富野監督も次回作に取り組んでるって聞くし、全然意外ではない。むしろファンとしては嬉しい限り。
  • 小島秀夫監督が「若者たちに観てほしい」日本映画の名作9選を発表

    小島秀夫監督は、映画への愛を公言してきた人物である。「METAL GEAR SOLID」や『DEATH STRANDING』などのクリエイターとして知られる彼は、ゲーム開発者になる前は映画制作を志しており、自身のゲームでもたびたびお気に入りの映画にオマージュを捧げてきた。「メタルギア」シリーズの主人公スネークも、『ニューヨーク1997』の主人公であるスネーク・プリスケンにちなんで命名された。小島が自身の作品に映画的な感性を込めてきたことは周知の事実で、著名な俳優を好んでゲームの声優に起用している。監督は、ただ映画が大好きなのだ。 映画ソフトの企画・制作で有名なクライテリオン社が、自社のYouTubeチャンネルで展開する「Closet Picks」シリーズに小島を招待した。この動画シリーズはクリエイティブ業界の著名人にスポットライトを当て、選ばれた人物が、クライテリオン・コレクションのディス

    小島秀夫監督が「若者たちに観てほしい」日本映画の名作9選を発表
  • 宮崎駿の引退説をジブリ幹部が否定 すでに次回作を構想中だと明かす

    スタジオジブリ最新作『君たちはどう生きるか』は、宮崎駿の最後の作品になると長い間噂されてきたが、それは事実とは異なるようだ。 『君たちはどう生きるか』(英題:『The Boy and the Heron』)の上映が行われたトロント国際映画祭にて、スタジオジブリ広報・学芸担当スーパーバイザーの西岡純一はCBC Newsに対し、82歳の宮崎は現在もたくさんのアイディアを持っており、毎日出社していると明かした。 これが引退作になるのか、と問われた西岡は「世間ではそういう噂もありますけれども、人は全然そう思っていなくて、今も次のアニメーションの構想をもう考えているんですよ」と返答。「だから、毎日、今も会社に来て、“次のアニメーションをどうしようか”ということを言っていますから、今回は引退宣言はしません」と語った。 "次のアニメーションの構想をもう考えているんですよ。毎日、今も会社に来て“次のアニ

    宮崎駿の引退説をジブリ幹部が否定 すでに次回作を構想中だと明かす
  • 『AKIRA』「攻殻機動隊」「パトレイバー」など都市や建物を描いたアニメの背景美術が一堂に 企画展「アニメ背景美術に描かれた都市」が金沢で開幕

    都市や建物が描かれたアニメーションの背景美術を展示する、谷口吉郎・吉生記念金沢建築館の第7回企画展「アニメ背景美術に描かれた都市」が6月17日に開幕。16日には金沢市にある谷口吉郎・吉生記念金沢建築館でアニメの美術監督によるフォーラムも開かれ、キャラクターたちが動き回るアニメの舞台として精緻に描かれた、背景美術の都市や建物がどのような意味を持っているかが語られた。 「アニメはキャラクターとストーリーが大切だが、キャラクターなしで背景美術だけで物語を伝えることが出来る作品もある」。ドイツのアートキュレーターで、日のアニメ作品で使われた背景美術の展覧会を海外で開き、『アニメ建築 傑作背景美術の制作プロセス』という著書も刊行したシュテファン・リーケレスはこう話して、アニメの背景美術が持つ役割の奥深さを説明した。 展覧会の狙いや見どころを話すシュテファン・リーケレス。 「『GHOST IN T

    『AKIRA』「攻殻機動隊」「パトレイバー」など都市や建物を描いたアニメの背景美術が一堂に 企画展「アニメ背景美術に描かれた都市」が金沢で開幕
  • 『サイバーパンク エッジランナーズ』レビュー:破壊と殺戮で描かれる青春群像劇

    稿は2022年9月13日より配信開始となったアニメ『サイバーパンク エッジランナーズ』のレビューです。序盤のストーリーラインに触れる記述がありますのでご注意ください。 全10話の『サイバーパンク エッジランナーズ』(以下「エッジランナーズ」)を観終えて思ったのはこうだ。「そもそも『サイバーパンク2077』(2020年、以下、原作)も、質的には大都市を生きる人々がどうこれからの人生を考えるかって話でもあったよな」と。 当初、そんな原作が『キルラキル』(2013~2014年)や『プロメア』(2019年)のTRIGGERと今石洋之監督によってアニメ化されると聞いたときは意外だった。『AKIRA』(1988年)や『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』(1995年)みたいな、溢れかえる情報量での映像化を少なくない人が期待したと思うし、彼らのスタイルは原作とは真逆なようにも感じられた

    『サイバーパンク エッジランナーズ』レビュー:破壊と殺戮で描かれる青春群像劇
  • 『カウボーイビバップ』の渡辺信一郎監督はNetflixの実写ドラマ版に納得していなかった 「『カウボーイビバップ』ではない」と思ったと明かす

    人気アニメ『カウボーイビバップ』の監督を務めた渡辺信一郎は、Netflixの実写ドラマ版(少なくとも自分が観た作品の一部)を気に入らなかったようだ。 Forbesのインタビューで渡辺は、Netflixから「評価や確認のための映像」が送られてきたが、冒頭のシーンより先に進むことができなかったと明かした。 「カジノのシーンから観始めましたが、観続けるのはかなり辛かったです。そこで観るのをやめたので、その冒頭のシーンしか観ていません。明らかに『カウボーイビバップ』ではないし、自分が関与していなければ『カウボーイビバップ』ではないとその時点で気付きました。私がやればよかったのかもしれないですね。でも、どういうわけか原作アニメの価値ははるかに高くなりました」 おもしろいことに、渡辺が実写ドラマ版への関与が限定的だと語ったのはこれが初めてではない。ドラマ版が発表された2018年、Netflixは渡辺を

    『カウボーイビバップ』の渡辺信一郎監督はNetflixの実写ドラマ版に納得していなかった 「『カウボーイビバップ』ではない」と思ったと明かす
    jacoyutorius
    jacoyutorius 2023/01/31
    布団に入って観ながら寝落ちするにはいい作品だったよ。あの世界が夢に出そうで
  • 小島秀夫監督ロングインタビュー 新オフィスを構え第2フェーズに突入したコジマプロダクションが問う"繋がり"の意味とは

    小島秀夫監督率いるコジマプロダクションが、2022年12月16日に設立7周年を迎えた。7周年を機に同社は同じビル内の別フロアにオフィスを移し、新たな船出を迎える。小島監督は以前のインタビューで自らのオフィスを「スター・トレック」のエンタープライズ号に例えていたが、そのコンセプトは新しいオフィスでも引き継がれている。ルーデンスが佇むアイコニックな部屋も健在で、この1/1スケールスタチューは、このオフィスのために新造されたものだ。大きなスタジオやスキャンルーム、そして多くの人が顔を合わせられるキッチンは、ここに集う人々とともにさらなるクリエイティブの海へと漕ぎ出していきたいという小島監督の想いが込められているようにも見える。 3年ぶりに登壇したThe Game Awards 2022(以下、TGA)で『DEATH STRANDING 2』(仮称、以下「DS2」)のティーザー映像を世に放ち、『D

    小島秀夫監督ロングインタビュー 新オフィスを構え第2フェーズに突入したコジマプロダクションが問う"繋がり"の意味とは
  • 『雨を告げる漂流団地』レビュー:おそらく団地映画、最後の傑作

    稿は2022年9月16日よりNetflixで全世界配信&全国ロードショーとなる長編アニメ映画『雨を告げる漂流団地』のレビューです。 『雨を告げる漂流団地』はおそらく日の団地をモチーフとした映画で最後の傑作となるアニメである。決して大仰に言っているわけじゃない。そもそもの団地自体がいま日各地で建て替えや取り壊しが続いており、団地の時代が終わり始めているからだ。 団地は戦後の住宅難を解消するための施策であると同時に、新たなライフスタイルの象徴でもあった。団地の誕生によって家族の形からある種の社会の形まで変わったことは、各時代のフィクションなどからうかがえる。しかし近年は老朽化などに伴い、各地で建て替えなど今後を問われる状況にある。 そんな消えゆく団地の時代を、作はなんとストレートな冒険映画に仕上げているのだ。『陽なたのアオシグレ』(2013年)や『ペンギン・ハイウェイ』(2018年)の

    『雨を告げる漂流団地』レビュー:おそらく団地映画、最後の傑作
  • 『犬王』レビュー: “異端児”を描くのに古いロックみたいなカウンターカルチャーを持ち出すのは正しいのか?

    稿には映画『犬王』編の内容に大きく触れる記述が含まれますのでご注意ください。 ジャンルを変えてしまう人物は謎に満ちていることが少なくない。アーティストの裏側をインターネットからSNS、動画サイトで溢れる情報から推測できてしまう現代と、情報が限られていた昔は違う。謎は守られ、謎が芸事の評価に繋がった。謎によって異質さが生まれ、異質さによって既成のジャンルを書き換えていったのだから。 まさしく『犬王』とはそんな謎の人物についての物語である。古川日出男の原作『平家物語 犬王の巻』を元に、猿楽能(現代の能楽)で革新的な舞を見せた能楽師・犬王の生涯を描く。湯浅政明監督らしくただの歴史劇ではなく、なんとロックオペラとして、革命的な人物を描いてみせる。 しかし実際の映画を観るとひっかかりを覚えた。日の伝統芸能となった能楽をロックやダンスで描く奇策は湯浅監督ならではだし、犬王の異様さを表現するのに

    『犬王』レビュー: “異端児”を描くのに古いロックみたいなカウンターカルチャーを持ち出すのは正しいのか?
  • 今敏監督のアニメ映画『千年女優』がNetflixで6月1日より配信!見放題配信から縁遠かった作品がついにネトフリへ

    Netflixにて、今敏監督の『千年女優』が2022年6月1日より配信される。配信ページはこちらだが、記事執筆時点ではログインしないと表示がされないようだ。 作は今までネット配信はあったが、現時点ではAmazon Prime Videoやdアニメ、Huluといった定番の見放題サービスにはラインアップされていない。今後ほかのストリーミングサービスでも配信されるかは不明だが、すくなくともNetflixでは6月1日に見られることになる。 『千年女優』は今敏監督の映画としては2作品目になるアニメ映画作で主人公となるのは、30年前に突然引退して銀幕から姿を消してしまった女優の藤原千代子。作中では映像制作会社の社長がドキュメンタリーを作るために、千代子を取材することになる。現実と虚構が入り乱れ、時空まで超えるような物語が展開する作品となっている。 IGN JAPANでは監督の没後10年を迎えた2

    今敏監督のアニメ映画『千年女優』がNetflixで6月1日より配信!見放題配信から縁遠かった作品がついにネトフリへ
  • 映画『ドライブ・マイ・カー』論考――すべては「主人公の夢」だったのか?

    まえがき――もうひとつの「位相」 『ドライブ・マイ・カー』観賞時、じわじわと、そして終盤から一気にリアリティラインが瓦解したような、奇妙な感覚が自分を襲った。このスリリングな印象は、前作『寝ても覚めても』と地続きのようでもあり、また少し違ったものでもあった。初見後はその違和感が何処からくるものなのか、そして作が着地した結末は「見た目どおり」のものだったのか、うまく掴めずに戸惑っていたように思う。 しかし4度めの観賞後、ようやく筆者の内に「別の位相」がぼんやり浮かび上がってきた。それは端的に言えば、こういうことだ。『ドライブ・マイ・カー』は、主人公・家福悠介(西島秀俊)の「記憶と夢」を現出させた作品である。そして――さらに言おう。その記憶と夢の中で、家福は伶猾な犯罪者であったのかもしれない、と。 カンヌ国際映画祭を始め、枚挙に暇がないほどの受賞数に加え、アカデミー賞4部門ノミネートまで成し

    映画『ドライブ・マイ・カー』論考――すべては「主人公の夢」だったのか?
  • 人々のいなくなった東京が、こんなにも生きているとは!『Ghostwire: Tokyo』は渋谷をオープンワールドにした傑作

    3月16日の夜、僕はマレビトと呼ばれる悪霊や妖怪に支配された東京を冒険していた。もちろん、『Ghostwire: Tokyo』の中での話である。そこで自宅の電気がフッと消え、家が激しく揺れ始めた。 「妖怪のイタズラかな」と僕は独り言をこぼした。これも『Ghostwire: Tokyo』の演出なのかもしれない。一瞬、そう思ってしまうほどに僕はこの作品に没頭していた。我に返って地震だと理解すると、僕は家族やマンションの心配よりも「これで今夜は『Ghostwire: Tokyo』ができなくなってしまうのか」と落胆した。 『Ghostwire: Tokyo』は「バイオハザード」シリーズの生みの親である三上真司によるアクションアドベンチャーゲームで、舞台は人々のいなくなった東京。今回は第2章までプレイした感想をお届けする。現時点では渋谷を探索しており、東京のほかの地区に広がるかどうかはまだわからない

    人々のいなくなった東京が、こんなにも生きているとは!『Ghostwire: Tokyo』は渋谷をオープンワールドにした傑作
  • 最先端のジャンルがゲームにも「ローファイ・ヒップホップ」特集(前編):ゲーム音楽ディスクステーション第5回

    ローファイ・ヒップホップとは? ご存じない方に説明するなら、ゆったりしたビートとほんのりジャジーなフレーズが織りなす「癒やしのインスト・ヒップホップ」といったところでしょうか。ヒップホップと言いつつも、実はその文化の中から生まれたものではなく、主な支持層はこれ系のサントラに郷愁を感じる00年代アニメ世代、あるいは「作業用BGM」として魅せられた若いYouTubeリスナーなどだったりします。ヒップホップ流との結び付きは、あくまでも気だるいビートだけで、音楽的にはむしろVaporwaveの後裔的な位置にあるといえるでしょう。霞がかったノスタルジックな音像や、ビジュアルイメージと一体化したサウンドの扱いなどには、確かにVaporwaveの影響を感じることができます。 さて、そんなローファイ・ヒップホップですが、最近これにゲーム音楽が接近しつつあります。ムーブメントとしてのローファイ・ヒップホッ

    最先端のジャンルがゲームにも「ローファイ・ヒップホップ」特集(前編):ゲーム音楽ディスクステーション第5回
  • 『シン・ゴジラ』のコンビの新作映画『シン・ウルトラマン』特報映像が公開 電力と関連の深い2体の怪獣がお目見え

    映像に登場している怪獣は、その特徴からすると透明な怪獣ネロンガ(映像では視認できるシーンもある)と赤いエリ巻きが目を引くガボラのようだ。電気を求めるネロンガにウランを求めるガボラと、いずれも電力に関連の深い怪獣がチョイスされている。 映像とあわせて特別ビジュアルも公開されており、こちらではウルトラマンへの変身に使用するベーターカプセルらしきアイテムも確認できる。また、キャッチコピーは「そんなに人間が好きになったのか、ウルトラマン。」と意味深な内容。これは初代『ウルトラマン』の台詞を意識したもののようだ。 ―そんなに人間が好きになったのか、ウルトラマン。― 『ウルトラマン』55周年記念作品 『シン・ウルトラマン』衝撃の特報映像、特別ビジュアル公開! さらに、公式Twitter(@shin_ultraman)始動!https://t.co/eYe7pWMIXr 特報映像https://t.co

    『シン・ゴジラ』のコンビの新作映画『シン・ウルトラマン』特報映像が公開 電力と関連の深い2体の怪獣がお目見え
    jacoyutorius
    jacoyutorius 2021/01/29
    シンゴジの時みたい「内容なんてどうでもいい。俺(達)が観て支えなきゃ」みたいな気分になってる
  • 斬るか斬られるか!?『Ghost of Tsushima』一騎打ちレビュー

    『Ghost of Tsushima』のデベロッパーである米国のサッカーパンチプロダクションズは「武士(もののふ)」というものに憧れて、侍になりきるゲームを作った。黒澤明の『七人の侍』や『椿三十郎』のように、古い時代劇に影響を受けた外国人は珍しくないし、侍は小説漫画・アニメなど、日のあらゆる歴史系フィクションを通して、海外にも渡っている。『Ghost of Tsushima』は現代人が憧れを抱く――美化された――侍像みたいなものを多岐にわたって高度に表現している。その着眼点がときに外国人特有のものであり、違和感を覚えることもあるとはいえ、武士の生き様の魅力とその問題まで扱った物語を綴ることには間違いなく成功している。 武士の道を捨てる物語 主人公・境井仁は対馬の由緒正しい武家の一人息子だが、若くして両親を失っている。対馬の広大な地域を統治する地頭にして、仁の叔父である志村は親代わりとし

    斬るか斬られるか!?『Ghost of Tsushima』一騎打ちレビュー
  • 【ゲームライターの日常】僕が「ゼルダの伝説」を嫌いだった理由

    たとえば、「音楽好き」という言い方はするでしょうか。これはあまり正確な言葉遣いではないように思えます。「クラシックが好き」だとか「メタルが好き」なんてジャンルで語るほうがいいですし、具体的に好きなバンド名などを言ったほうがより伝わりやすいのではないでしょうか。 しかし、「ゲーム好き」という言葉は十分耳にするように思えます。具体的にはどの家庭用ゲーム機で遊ぶの? それともPC派? ジャンルはアクションがいいのかシューターがいいのか乙女ゲーがいいのか。あるいはスマホでソシャゲを遊ぶタイプ? とにかく、一口にゲームといえど内容はさまざまですよね。 僕は間違いなくゲームが好きですが、しかしながらすべてのゲームが好きだとは口が裂けても言えません。単純に出来が悪い作品もあまり好きになれませんし、具体的な内容でいえば謎解きが嫌で仕方がないのです。 今でも根に持つ「ひとつは上に、ひとつは下に」 『ゼルダの

    【ゲームライターの日常】僕が「ゼルダの伝説」を嫌いだった理由
  • 【寄稿】小島秀夫監督の素晴らしい作品たちが、いかにしてピーター・トライアスのSF小説『サイバー・ショーグン・レボリューション』に影響したか

    『ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン』や『メカ・サムライ・エンパイア』、『サイバー・ショーグン・レボリューション』で知られる作家ピーター・トライアス氏による寄稿。鬼塚大輔による翻訳。 私は記憶にある限り、ずっと小島秀夫監督の作ったゲームをプレイしてきた。常に時代の先を見据えた、複雑で哲学的、社会的なテーマを追求する予見的なストーリーを使って、彼は常にゲームを構成する要素の限界を突破してきた。しかし同時に、ゲームの規範で実験をするような、革新的遊び心も、そこにはうかがわれるのだ。 小島の作品においては、創造的なゲームプレイと緻密なストーリー展開に注目が集まることが多い。だが、キャラクターたちに焦点を当てていることこそが、私にとって彼のゲームを非常に重要なものにしている大きな要素なのである。人間であるとはどういうことなのか、それも、あまりにも普及し過ぎてしまったテクノロジーに直面した今、と

    【寄稿】小島秀夫監督の素晴らしい作品たちが、いかにしてピーター・トライアスのSF小説『サイバー・ショーグン・レボリューション』に影響したか