10日、欧米による経済制裁への対抗措置を話し合うオンライン会議に臨むロシアのプーチン大統領(タス=共同) ロシアのプーチン大統領は10日の閣僚会議で、ウクライナ侵攻を受けてロシアから撤退する外国企業の資産を国有化するとの政府方針を了承した。政府与党内では、国有化立法は投資家に撤退を思いとどまらせる効果があると説明されているが、制裁への報復と見る欧米側の強い反発は必至。日本企業のロシアでの事業継続判断にも影響を与えそうだ。対立の新たな火種になる恐れがある。
匿名Twitterアカウント「Dappi」による虚偽のツイートで名誉を傷つけられたとして、立憲民主党の小西洋之、杉尾秀哉両参院議員が東京都内のIT関連企業に対して880万円の損害賠償などを求めた民事訴訟の弁論が28日、東京地裁であった。被告のIT関連企業が「ツイートは従業員が私的に投稿した」と主張していることが判明した。(デジタル編集部) 第1回口頭弁論に続き、今回も被告側は出廷せず。法廷での原告側と裁判官のやりとりによると、被告側は従業員が投稿していたことを初めて認めるも「投稿は従業員の私的活動で、会社業務とは関係ない」「会社は被害者」などとする主旨の書面を提出。被告企業によって組織的に投稿が行われたかが、今後の争点になる。 訴状などによると、アカウント「Dappi」は2020年10月、森友学園問題の公文書改ざんを巡り「近財(近畿財務局)職員は杉尾秀哉や小西洋之が1時間吊るしあげた翌日に
前三鷹市長の清原慶子さん(69)が、新型コロナウイルスに感染していたことを自身のブログで公表し、本紙の電話取材に応じた。2回目のワクチン接種から約40日経過した8月中旬に陽性が判明。「ブレークスルー感染」だった。清原さんは「想像を絶する感染力の強さ。ワクチン接種を済ませたからといって安心しないで」と警鐘を鳴らす。(花井勝規) ブレークスルー感染 ワクチンを接種した後に感染すること。新型コロナワクチンの場合、2回目の接種後、約2週間で十分な免疫の獲得が期待されるため、それ以降に感染したケースを指す。
将棋の永瀬拓矢王座(28)に木村一基九段(48)が挑戦する第69期王座戦5番勝負が、9月1日に仙台市で開幕する。木村九段は一昨年、史上最年長の46歳で初タイトルの王位を獲得。「中年の星」として話題を集めたが、昨年の王位戦7番勝負(東京新聞主催)では藤井聡太棋聖(当時)に4連敗で失冠した。しかし木村九段は前進をやめなかった。「どれも満足のいく内容だった」という王座挑戦までの戦い、人工知能(AI)による研究の現状まで、木村九段の取材を続けてきた本紙の樋口薫記者が話を聞いた。 ▽木村一基(きむら・かずき) 1973年、千葉県四街道市出身。故佐瀬勇次名誉九段門下。97年プロ入り。2019年、7度目の挑戦で初タイトルの王位を獲得。「千駄ケ谷の受け師」「将棋の強いおじさん」などの愛称がある。 「王座戦は2008年の挑戦以降、なかなか勝てていなかったが、今期は4局とも内容が良かった。事前に調べた作戦がう
みずほフィナンシャルグループ(FG)は15日、みずほ銀行のシステム障害の責任を明確にするため、坂井辰史社長の役員報酬の減額などの処分を発表した。 のべ700人超の役職員への聞き取りなどをした第三者委員会の報告書からは、みずほ銀行の理念である「一人ひとりがお客さま起点を徹底し、自ら考え行動する」とは真逆の顧客軽視の姿勢が浮かぶ。 「ATMのエラー発生が多発しています」。報告書によると、2月28日午前10時15分、業務委託先の管理センターからみずほ銀行の6つ以上の部署へ430件のエラーを検知したとの緊急メールが送られたが、対応に動く担当者はいなかった。通帳やキャッシュカードがATMに取り込まれるトラブルは最終的に5244件発生したが、それを想定できなかった。 複数の部署の担当者は午前11時12分にはATM前で顧客が立ち往生していることをSNS上の情報で把握。休日対応で人員の限られた問い合わせ電
カジノを含む「統合型リゾート施設(IR)」整備推進法案(カジノ解禁法案)でギャンブル依存症増加が懸念される中、依存症に苦しんだ人の体験談が国会で取り上げられた。家族を犠牲にしてもギャンブルにのめり込む壮絶な経験が紹介され、深刻な社会問題であることが伝えられた。 (金杉貴雄) 体験談は、証言集「ギャンブル依存症からの生還」から引用された。ホームレスの自立を支援する会社「ビッグイシュー日本」の関連NPO「ビッグイシュー基金」が男女十二人に聞き取り調査をし、八月にまとめた。八日の参院内閣委員会で自由党の山本太郎氏が読み上げた。 四十代の女性は出産直後、夫が気遣いで設けた月に一度の「お母さんのお休みの日」にパチンコに行ったことがきっかけでのめり込んだ。子どもの学資保険を切り崩し、実家の仏壇から金を盗み、子ども二人を認可外保育園に入れてまで通い、最後は死に物狂いでやらされている感覚と分かっていても、
【ワシントン=共同】私の名前を許可なく載せたら訴える-。地元政治家に圧力をかけられた米東部メリーランド州の地方紙が、逆にこの政治家の名前を二十八回繰り返す社説を掲載するなど報道の自由を盾に抗戦し、全面降伏に追いこんだ。米主要メディアが八日伝えた。 同州フレデリック郡で公職を務める共和党のカービー・デローター氏は、地元紙フレデリック・ニュースポストに自分のことが書かれたと腹を立て、今後自分の名前を勝手に書いたら訴訟を起こすと宣言した。 デローター氏は選挙で選ばれた公人。同紙は「前代未聞」と反発、六日には名前を伏せて同氏をどう表現するかを真剣に考える社説を掲載した。ユーモアと皮肉が詰まった記事には「カービー・デローター」と連呼する表題を含め、フルネームを二十八回織り込んだ。
勤務先の金をだまし取ったとして、警視庁が十一日に電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕した埼玉県朝霞市の元会社員栗田守紀(もりとし)容疑者(33)は、キャバクラの女性店員(30)に総額約六億円を送金していた。「がんで闘病中」と治療費を求める女性の言葉を信じ、ほとんど会うこともなく約七年間にわたり計三百五十回以上、金を振り込んでいた。 警視庁によると、栗田容疑者は二〇〇〇年からゴム製造会社「シバタ」(東京都中央区)の経理部に所属。逮捕容疑では、自ら管理する会社の口座から二億三千万円を自分の口座に送金し、だまし取ったとされる。
リクルートが運営する宿泊予約サイト「じゃらんnet」が宿泊施設と交わした契約について、国際観光旅館連盟近畿支部(大阪市)が「自らのサイトを通じ独自に予約を取ろうとする施設側の営業妨害につながる条項があり、独禁法違反に当たる」として、公正取引委員会に排除措置命令を出すよう申し立てたことが二十二日、関係者への取材で分かった。 連盟側が問題にしているのは、施設側から提供された情報をじゃらん側が外部サイトなどに転載できるとする条項。じゃらんは七月、この条項に基づき全国約一万六千軒の施設の「公式ページ」を無断で作成し、会員制交流サイト「フェイスブック(FB)」上に公開。一部施設から抗議を受け、同意のない約九割のページを削除した経緯がある。 申告書などによると契約上、施設はじゃらんのサイトを通じた予約の場合、報酬として宿泊代金の6~8%を支払うことになっている。じゃらんがFB上に公開したページには、じ
出会い系サイトでメールをやりとりした相手は会員になりすました「サクラ」だったとして、埼玉県内の三十代の女性が東京都渋谷区の情報提供サービス会社「NOW(当時アバンテ)」と代表者を相手取り、利用料の返還など約六百万円の支払いを求めた訴訟の判決が、さいたま地裁越谷支部であった。佐藤美穂裁判官は「詐欺に該当する違法なサイト運営」と認定し、会社側に全額の支払いを命じた。
「本当にうれしい。体が強く、シュート、パス、キープ、何でもできる選手になりたい」。六日来日したサッカーのアルゼンチン代表FWメッシ選手や、「世界一」のスペイン代表の中心選手らを育てたFCバルセロナの下部組織「カンテラ」への入団が決まった八王子市の小学五年生野島快王(かいき)君(11)。身長一四五センチ、体重三五キロの小さな体が、目標に向かって一歩を踏み出した。 (加藤益丈) 野島君がサッカーを始めたのは小学二年生の時。当時、イタリアで活躍していたブラジル代表MFカカ選手のプレーをテレビで見て「楽しそう」と興味を持ち、すぐに地元の南大沢FCに入団した。 「三歳のとき、一回転んだだけで補助輪なしで自転車に乗った」と父の伸恭さん(32)も驚く優れたバランス感覚の持ち主。速さと柔らかさを兼ね備えたドリブルを武器に得点を重ね、四年生から一つ上の学年のチームに引き上げられた。 昨年六月、スペイン一部リ
スペインのサッカーの強豪クラブFCバルセロナの下部組織「カンテラ」に、東京都八王子市の市立南大沢小の五年生野島快王(かいき)君(11)が日本人で初めて入団する。代理人によると、すでに選手登録されており、来週中に現地に出発する。 カンテラはスペイン語で採掘場を意味し、各クラブの下部組織を指す。バルセロナは若手育成に定評があり、七月のワールドカップで優勝したスペイン代表の中心選手らも育った。年齢別にチームがあり、野島君は十一歳以下のチームに入る。 野島君は地元の南大沢FCに所属し、ポジションはフォワード(FW)。得意のドリブルでゴール前に切り込み、得点を奪うプレーが持ち味で、三月にはJリーグFC東京の十二歳以下の選抜クラスにも合格。昨年と今年、スペインの他のチームのサッカー教室に参加し、帰国後にバルセロナから入団の誘いがあった。 現地へは家族は同行せず、ホームステイする。競争は厳しいが、野島君
大学生が夏休みなどに職場を体験するインターンシップ(就業体験)。企業と提携するなどして、積極的に取り組む大学が増えてきたが、その内容に不満を抱く学生も少なくない。中には氷河期の就活(就職活動)に苦しむ学生の足元を見て、人手不足の解消に使ったり、アルバイト代わりにしたりする例も。就職問題に詳しい識者は「職業を学ぶ本来の形になっていない」と警鐘を鳴らす。 (橋本誠) 「こんなはずじゃなかったのに…」 昨年夏、東京都内の有名ホテルで行われた二週間のインターンシップ。都内の私大に通う四年生の男子学生(21)=神奈川県=は、初日から頭を抱えた。 当時、就職活動の始まりを控えた大学三年生。ホテルの接客の仕事に興味があり、大学を通じて応募した。だが、膨らんだ期待はすぐにしぼんだ。 研修生が配属されたのは、レストランや客室清掃係。この学生は付属の娯楽施設の配属となったが、時折レストランで食器を磨く以外は、
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