私も15年ほど前、自民党大阪府連青年局の幹事長を務めた経験があるが、青年局関係の行事で、これほど幼稚でいちびりな(ふざけた)話は聞いたことがない。懇親会の画像を見たが、情けない。
![産経ニュース](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/f37fdc6cf1091d11fb3d30da74f8b3c909e804b4/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.sankei.com%2Fcommon%2Fimages%2Fogp_default.jpg)
強い組織を作るにはどうすればいいのか? そのためには一人ひとりの社員を成長させなければいけない。携帯電話のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などで注目を集めているディー・エヌ・エーの南場智子社長に話をうかがって、特に印象に残ったのは、人事制度に対する考え方だった。 ある人が、ある仕事をしてそれをクリアできたら、また同じ仕事をしてもらうのは意味が無い。もう1つ上のことをやってもらう。だから、ある部門のエースと呼ばれる人でも、あっさり引き抜いて、他の部門に移したりする。たとえ今うまくいっていたとしても、強い組織にするという視点で配置転換をする。現実には、やはり下の人間はそれに抵抗したりするという。しかし、そこは全体の視点から人事を決めている。 どういう人をどういうところに配置するか、経営において考える時間の大きな部分を人事に割いていると南場さんは言う。しかも「仕事で育つ」というこ
宮崎駿さんの作品作りは、予定調和で最初からストーリーを作ってしまうのではない。既に頭の中にある強烈なイメージをなんとか組み伏せながら作るという感じだ。だからストーリーに意外性が出るし、強度も出る。新作の「崖の上のポニョ」もそうだ。いくつかの強烈な原画があり、それを生かした映画はどんなものかと考えていく。 新しいビジネスを考える時にも、こうしたやり方がありうると思う。まず強烈なビジョンがあり、それを生かすための方法やビジネスモデルを考えるという方向性がある。ビジネスモデル自体に命があるのではない。 新しいものが世の中に登場する時、「聞き分けのない子供」のような姿をしている。大人の側にすれば、こうした聞き分けのない姿に耐えるのはエネルギーがいることだ。子供は大人の思い通りにはならない。大人は大人の世界のルールや価値観を前提に、それが守れないとネガティブな評価をする。 効率というものを優先する社
宮崎駿さんの作品作りは、予定調和で最初からストーリーを作ってしまうのではない。既に頭の中にある強烈なイメージをなんとか組み伏せながら作るという感じだ。だからストーリーに意外性が出るし、強度も出る。新作の「崖の上のポニョ」もそうだ。いくつかの強烈な原画があり、それを生かした映画はどんなものかと考えていく。 新しいビジネスを考える時にも、こうしたやり方がありうると思う。まず強烈なビジョンがあり、それを生かすための方法やビジネスモデルを考えるという方向性がある。ビジネスモデル自体に命があるのではない。 新しいものが世の中に登場する時、「聞き分けのない子供」のような姿をしている。大人の側にすれば、こうした聞き分けのない姿に耐えるのはエネルギーがいることだ。子供は大人の思い通りにはならない。大人は大人の世界のルールや価値観を前提に、それが守れないとネガティブな評価をする。 効率というものを優先する社
「学び」とは情報を脳内に植えつけることだと思いがちだ。学ぶための前提条件となる脳の中のインフラのようなものが、実は他者との関係性を耕すことで身につけられる。今回お話を伺った鹿嶋真弓さんは、これを中学校の教育現場で実践されている。 僕は以前から、学校は究極の成果主義だと思っていた。成果主義では、ともすれば個人の利害が対立するため、利己的な振る舞いが奨励されがちである。今回の話では、集団としてお互いに助け合う精神を促進することによって、個人の成果、学校で言えば成績が伸びることにつながるという。そこが一番素晴らしいことだ。 教師が持っている有限なリソースの中で、一人ひとりの子供に向き合う時間はそんなに取れない。それならばもっと圧倒的に多くの時間を過ごす子供たち同士で助け合うようにできたら、より効率的だし成果も上がる。 これは理にかなっている。ビジネスに置き換えると、成果主義というものが、実は組織
「学び」とは情報を脳内に植えつけることだと思いがちだ。学ぶための前提条件となる脳の中のインフラのようなものが、実は他者との関係性を耕すことで身につけられる。今回お話を伺った鹿嶋真弓さんは、これを中学校の教育現場で実践されている。 僕は以前から、学校は究極の成果主義だと思っていた。成果主義では、ともすれば個人の利害が対立するため、利己的な振る舞いが奨励されがちである。今回の話では、集団としてお互いに助け合う精神を促進することによって、個人の成果、学校で言えば成績が伸びることにつながるという。そこが一番素晴らしいことだ。 教師が持っている有限なリソースの中で、一人ひとりの子供に向き合う時間はそんなに取れない。それならばもっと圧倒的に多くの時間を過ごす子供たち同士で助け合うようにできたら、より効率的だし成果も上がる。 これは理にかなっている。ビジネスに置き換えると、成果主義というものが、実は組織
最近RC造のアパート併用住宅を新築した。ご承知の様に、建築基準法42条2項を適用された。幅員2.7mの道路を4mにする為に65cmと隅切り部分の土地を行政で管理するから只で提供せよとの命令だった。 道路の隅切り部分には6500ボルトの高圧電流の為の変圧器が2基付いている電柱が立っている。これを動かせと言う。費用は行政命令でこちらに負担は無い。しかし再度動かす時には500万円掛かるらしい。 こんな馬鹿な話は無い。1000万円もする土地を取られ、静かな道路が、危険な自動車が通過する為だけの道路になってしまう。付近住民の事は全く考えていない。 近隣の人々に相談すると、召し上げられた土地は花壇にしておいてくれと言う。何もセメントやタイルで固めない方が良い。行政に、この様に伝えると、担当官としては許可出来ない。『自分が定年退職する時に、行政内の監査に引っかかる。』と言う。 何とも悲しい現実が此処にあ
今回、話をうかがった隈研吾さんは、海外でも高い評価を受けている建築家だ。その考え方を「負ける建築」という言葉で表現している。建てる土地はまったくの「更地」であることはなく、周囲の環境や風土などと調和する建築を目指す。これを「負ける」と表現する。 実は、この「更地」じゃないというのが非常に大事なポイントだと思う。土地をまっさらにして、そこには何でも建てられると考えがちだが、そうではない。規制や法律などとは違った、自然とか土地とか人間の関係に内在した制約が大事だ。それはそう簡単に分かるものではないし、自ら発見しなくてはいけない。 その「制約」こそが創造力の源であり、豊かさの源である。しかも「制約」は、自ら発見するものだというのが本質的なことだ。建築では、その土地に行って制約を発見する。創造性あるいは科学的な発見、ビジネスの様々なアイデアを生み出すプロセスなど、いろんなことが制約の発見という視点
成功体験を経て、初めて学習は完結する。それは脳科学的にみて事実である。今回お話を伺った盲導犬訓練士の多和田悟さんが言われていたように、盲導犬の訓練の過程で「No」は最後に「Yes」と言うための1つの段階として使うというのは、脳の強化学習のメカニズムから言うと納得のいくことだ。 最後に褒められてドーパミンが出て、それで強化学習が完結する。このメカニズムというのは、それこそラットあたりから人間まで基本は変わらない。犬もそこは全く同じだなと思った。 多和田さんがおっしゃっていたことで面白いのは、盲導犬にとっては仕事が褒められる「ゲーム」になっていることだ。人間の脳で言うと、前頭眼下皮質というところが、オンとオフというか文脈の切り替えをやっているのだが、当然進化の中でその原型は犬の脳の中にもある。目の不自由な人をガイドをするためのハーネスという器具を装着することで、まさにオンとオフが切り替わってい
日本人として初めて英国ロイヤルバレエのプリンシパルとなったバレリーナの吉田都さんにお話をうかがって、一番印象的だったのは、重圧を受けたり苦境に立ったりした時に、「練習に逃げる」という言葉だった。 吉田さんの生き方は、そこにあったのだと強く感じた。例えば、プロ野球選手がスランプの時に、その重圧に耐え切れず酒に逃げるといった話をよく聞く。それを一番エッセンシャルな“仕事”に逃げると吉田さんは言う。 1995年から97年あたりのいつだったか、英国のロイヤルバレエを見に行ったことがあり、そこで「日本人がプリンシパルで踊っている!」と強い印象受けたことがあった。今思えばそれが吉田さんだった。ロイヤルバレエでプリンシパルを務めるのは本当に大変なことで、俗に言う“家賃が高い”ところ。なぜそこで頑張ってこれたかというと、「練習に逃げた」、さらに練習に没入したからだと分かった。 吉田さんは、公演のあとで、自
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 今回エルピーダメモリの坂本幸雄さんにお話を伺って、坂本さんがいつも持ち歩いているノートに強い印象を受けた。私の研究者仲間のノートと極めて似ていた。数字と記号が書いてあり、それがエルピーダの利益を上げるための方策であるという。数字を通しての合理性を追求する経営の最も基本的な姿勢を表していると思えた。 数字の背後にはいろんなことがある。会社の生身の人間が働いている現場のいろんな状況がある。それが数字という一見無機質なものに置き換えられている。経営者は数字の背後に様々なドラマや物語を読み取ることができる人なのだ。これは複雑な多次元の方程式を解いているような仕事で、僕が思っていた以上に極めて知的なアプローチをしていると感じた。 それから、会議の時にそ
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 競走馬の調教師である藤澤和雄さんのお話には、「人を育てる」「能力を引き出す」といったことがらについて深い示唆があった。藤澤さんの調教で特徴的なのは、それぞれの馬を目いっぱい走らせて鍛えるのではなく、実力の劣る馬も強い馬と一緒に走らせる「馬なり」の方法にあるという。 それぞれの馬が競走しているのではなく、一緒に走っている。しかもその時に、実力が劣るものが強い馬と一緒に走ることによって、実力を引き上げてもらえる。強い方が先に行ってしまうと、弱い馬は走ることから脱落してしまう。人生でもそういうことはたくさんある。 その視点から見れば、能力別学習(学級)などは問題がある。そこで脱落したものはオレはだめなんだとあきらめてしまう。一緒に走っていると思えば
現代を代表する宮大工の菊池恭二さんにお話を伺って、奈落の底ともいうべき逆境から、どう這い上がるかという「生命力」という視点から見て、普遍性のある話が聞けた。 作業場が火事に遭い、木材が焼けてしまった時、周囲の人をぐっと見返して、「ちゃんと作るんだ」「大丈夫なんだ」と訴えかけた。そこの人間としての生きる力、生命力の出し方を感じた。 それは、ひょっとすると下積み修行の苦しい経験から培われたものかもしれない。日本の場合、受験戦争というものがあるのに、そういう方向に結びついていないのが残念だ。ひ弱な受験秀才ばかり作って、「生きる力」がどうして生み出されないのだろう。これは大いなる反省点だと思う。 現代人はますます「生命力」を鍛える機会が失われているという感じがする。合理的な考え方をする人は「そうして掃除なんかするんだ」とか「それは無駄だ」と思う。割り切って、これとこれのスキルを身につければいいんだ
消費税率引き上げと併せて“二つの台風” 安倍政権はホワイトカラー・エグゼンプションをいったん引っ込めたが、この夏の参議院選挙が終わった後、再び、導入の動きが始まると思う。そうなれば、サラリーマンは消費税率の引き上げと併せて、“二つの台風”に直撃されることになる。 米国でもホワイトカラー・エグゼンプションの導入によって労働時間が増えたといわれているが、日本はもっと悲惨なことになるだろう。米国のホワイトカラーは個々の職務規程が明確なので、上司に巻き込まれることは少ないが、情に流されやすい日本では泣く泣くただ働きになることは目に見えている。 日本経団連は、景気拡大のなかでも「一律のベースアップはありえない」と人件費抑制の姿勢を鮮明にしている。どうやら、正社員の給料が上がらないどころか、下がっていく時代がやってきそうだ。サラリーマンはもっと政府や財界に怒りの声を上げるべきではないだろうか
現在も残業代の4割しか支払われていない このまま、ホワイトカラー・エグゼンプションが通るとは思わないが、今でさえ、残業代が100%支払われているわけではないことを使用者側は明らかにするべきだ。 労働運動総合研究所の推計では現在、残業代の4割しか支払われていない。それがゼロになる可能性がある。 編集部注:労働運動総合研究所の試算ではホワイトカラー・エグゼンプションの導入によって、年収400万円以上のホワイトカラーから横取りされる残業代総額は11.6兆円に上る。これはホワイトカラー1人当たり年間114万円にもなる勘定だ。 経済同友会が昨年(2006年)11月21日にホワイトカラー・エグゼンプションに対する意見書を発表したが、「当面は現行の裁量労働制を活用し、並行して長時間労働などの是正を進めたうえで、改めて労働時間規制の適用除外について議論を深めることが望ましい」と、自律的労働時
人件費を抑制したい財界と政府 それでは、なぜ財界と政府はこれほど強引に進めようとしたのだろうか。それを読み解くには過去を見る必要がある。 日本では2002年1月から景気回復が始まり、名目GDPが14兆円増える一方、雇用者報酬は5兆円減った。だが、大企業の役員報酬は1人当たり5年間で84%も増えている。また、株主への配当は2.6倍になっている。 ということは、パイが増える中で、人件費を抑制して、株主と大企業の役員だけが手取りを増やしたのだ。 ただ、人件費抑制の中で、正社員の給料は下がったとはいえ、それほど劇的には落ち込んでいない。ではなぜ雇用者報酬が減ったのか。一番の原因は正社員が300万人減って、非正社員が300万人増えたことだ。正社員に対する非正社員の比率が大幅に上がったのである。 正社員の年収は300万~500万円に対して、パートなどの非正社員は100万円前後。人件費
年収400万円の労働者が「対象者」たり得るのか? この制度は極めて異例の形で法案化が進められてきた。というのも、労働法制は通常、労働政策審議会の中で審議を重ね、労働側と使用者側の合意を取った上で、法案化する。 ところが、今回はこうしたプロセスが無視された。労働者側は一貫して導入そのものに反対し続けてきた。決して、条件闘争ではなかったのである。しかし、労働政策審議会は強引に報告書をまとめ、導入に向けて強行突破を図ろうとした。 わたしはホワイトカラー・エグゼンプションを年収400万円以上のホワイトカラーに適用することは間違いだと思う。 これまでも労働時間と業績が必ずしも比例関係に無い職種に対して裁量労働制というものが存在している。この制度では、労働者が自由に働く時間を決められたが、労働時間管理自体は存在するため、深夜残業などをすると残業代の支払い義務が雇い主に生じていた。 と
第67回 ホワイトカラー・エグゼンプション、導入の動きは消えていない 経済アナリスト 森永 卓郎氏 2007年1月29日 安倍政権は国民の理解が十分進んでいないという理由で、先ごろ、通常国会に提出する新しい労働基準法改正案の中に、自律的労働時間制度(ホワイトカラー・エグゼンプション)を導入することを見送った。 ホワイトカラー・エグゼンプションについては、本コラムの第46回「残業代なしでただ働きを強制される時代の到来」にも書いたが、既に米国で導入されているもので、仕事の進め方や働く時間を自らコントロールできるホワイトカラーを労働時間管理の対象から外してしまおうという制度だ。 これが導入されれば、雇用側が労働者の時間管理をする必要がなくなるため、どんなに残業しても残業代は支払われなくなる。 厚生労働省は、年収や職種、職階、週休2日が確保されることなどの条件で歯止めをかける考えだが
「A社の一体どこが明るいの? みんな元気がなくて暗いじゃない。あんなに頑張っているのに,社員の給料は全然上がらないって聞くよ」。ある工作機械メーカーの幹部が取材時にこう語った。A社はこの工作機械メーカーの顧客であり,工作機械が両者の擦り合わせを要する製品であることから,この工作機械メーカーはA社のことをよく知っている。おまけに,技術者同士の交流もあって,A社の技術者の「懐具合」もある程度把握しているようだ。 私はこの幹部の言葉に驚いた。A社は技術者に限らず,一般の人にもよく知られたブランド企業であり,日本を代表する高収益企業でもあるからだ。ここしばらく,何度最高益を更新したか分からない。それなのに,その社内には元気がなく,社員の給料が上がっていないというのである。経済誌などで絶賛されるその会社や,その会社を率いるトップの姿の裏に,元気をなくした社員の姿があるとはにわかには信じがたい。思わず
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く