新法で「アプリストアを競争状態に」の現実味、公取委はApple・Googleと長期戦も 2024.05.16
ワークスアプリケーションズの牧野正幸CEO(最高経営責任者)は7月3日、都内ホテルで開催中の「IT Japan 2008」で「国際基準に対応するIT投資とは?」と題する講演を実施した。牧野CEOは、現在の日本のIT投資の実態を「失敗」と言い切り、これが日本の国際競争力が上がらない原因と指摘する。 「1989年から96年のバブル期、日本の国際競争力は5年連続トップだったが、バブル崩壊後には20位前後に甘んじている」。牧野CEOは、スイスの国際経営開発研究所(IMD)の調査データを挙げながら、現在の日本の国際競争力の現状について説明する。一方、IMDの調査で最も国際競争力が高い国は、米国である。日米で国際競争力の差がこれほどまでに開いてしまった理由は、「バブル崩壊から10年間続けてきた日本のIT投資の失敗にある」と牧野CEOは話す。 IT投資の総額で見れば、日米にあまり差はない。だが、投資する
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)は2008年4月11日,「第29回 情報処理産業経営実態調査報告書」を公表した。2006年度の情報処理産業の売上は2.5%増と4年連続プラス成長。一方で下請け企業の労働生産性は元請けの約6割しかない業界のピラミッド構造も改めて浮き彫りになっている。 調査は1978年より毎年実施しているもの。今年度は2007年12月に4000社を対象に行い,723社より有効回答を得た。 2006年度の情報処理産業の売上高は2.5%増と4年連続プラス成長で,2005年度の0.8%増を上回った。IPAでは,この伸びを情報セキュリティ分野,コンテンツ関連分野,日本版SOX対応による一時的需要増などによるものと分析している。 企業規模別では大企業の売上高は3.7%増となったが,中小企業の売上高はマイナス0.9%と減少。2005年度が大企業でマイナス0.5%,中小企業で2.6%
米WebsenseのCEO(最高経営責任者)であるGene Hodges氏(写真1)とCTO(最高技術責任者)兼プロダクト・ディベロップメント担当バイス・プレジデントのJohn McCormack氏(写真2)は4月10日(米国時間),米サンフランシスコで開催中の「RSA Conference 2008」の基調講演に登壇した。Hodges氏は,「Web 2.0,Employee 2.0,Enterprise 2.0のすべてがデータを危険にさらしている」として,データを保護するための新たなセキュリティ対策の必要性について語った。 Hodges氏は,三つの「2.0」についてそれぞれ次のように説明する。まず,Web 2.0ではユーザー同士の情報共有が進んでいる点を指摘。ブログやSNS,ファイル共有ソフトなど,一般ユーザーが作成したコンテンツを大勢のユーザーで共有する環境が整ってきた。Employe
ソフトブレーンは2008年4月10日,ホワイトカラーの業務を効率化するためのツール「ビジネスクロス」の販売を開始した。SFA(営業支援システム)の「eセールスマネジャー」で蓄積したノウハウにもとづいて,営業,購買,人事,コンタクトセンターといった非製造部門向けに,スケジュール管理,ToDo管理,業務報告などの機能を提供する。基本ライセンス価格は1ユーザー当たり6万円。導入時コンサルティングを追加料金で別途提供する。 主な特徴は以下の3点。1点目は多言語対応機能を備えること。操作メニュー,項目名はもちろん,記入内容についても複数の言語間で相互変換できる。例えば,英語の操作画面で営業の進捗状況を「get order」と記入すると,日本語の操作画面では「受注」と表示する。英語,日本語,中国語の操作画面を搭載しており,ユーザー定義によって,さらに2言語を追加できる。「中国市場に進出する化粧品会社な
ITコンサルタントの草分けG.M.ワインバーグが,納期遅延について面白いことを言っている。すなわち「遅延は1日ずつ生じる」と。システム構築プロジェクトでは,その日に済ませたいことをその日のうちに済ませることができない,ということがよく起きる。 提出物が不十分で後日再提出になった報告,結論を持ち越した会議,未確認事項が残ったヒアリングなど。このようにして生じた見過ごされがちな小さな遅れが1日ずつ蓄積して,ある日,1週間とか1カ月といったまとまった量の遅延となってようやく問題として認識されるようになる。 私の同僚にIさんというめったなことでは遅延を作らない,いわばスケジュール順守のプロがいる。彼は「要求定義のヒアリングは7回」と決めると,本当に計画通りの7回あるいかそれ以下の回数で完了させる。期日を越えることはないし,品質も申し分ない。 その秘密が知りたくて,Iさんの要求定義ヒアリングのための
ジュピターテレコム(JCOM)は2008年4月3日,自社のVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービス「J:COMオンデマンド」で,NHKが2008年12月に開始予定の「NHKオンデマンド」を配信することを決定したと発表した。NHKオンデマンドは,NHKが過去に放送した番組(アーカイブス番組)を配信する「特選ライブラリー」と,地上波放送とBS放送の5チャンネルで1週間以内に放送された番組を配信する「見逃し番組サービス」の二つで構成される。番組はすべてHDTV(ハイビジョン)品質で提供する(発表資料)。 特選ライブラリーでは,2008年12月のサービス開始時点で約1000本の番組が配信される。具体的には「大河ドラマ」や「朝の連続テレビ小説」,「NHKスペシャル」などである。今後,NHKが保存する約51万6000本のアーカイブス番組のうち権利処理が済んだものが,配信対象に順次加わる。1年に約100
最後は,Googleのカレンダー・サービスを使ってマッシュアップ・サイトを作ります。テレビ番組サイトが配信しているRSSデータを取得して,Ruby on Railsでカレンダーのフォーマットに変換します。それをGoogleカレンダーに取り込んで,オリジナルの番組表を作ってみましょう。 ここまで,さまざまなWebサービスを利用してきました。これらはすべて,自作サーバーで稼働するRuby on Railsのプログラムが,Webサービスから取得したデータをブラウザに表示するという仕組みでした。例えばPart3では,Google MapsのWebサービスから取得した地図情報をブラウザに表示しました。 Part4では逆に,Googleのサイトが,自作サイトのWebAPIデータを取得して,ブラウザに表示するという仕組みを体験してみます。 「Googleカレンダー」(写真1)は,「iCalendar」と
世界規模でM&A(企業の合併・買収)が頻発するなど、競争が激化する製薬業界。業界最大手の米ファイザーといえども安泰ではない。 同社のIT部門は、さらなる競争力の強化を目指し、グローバルでIT戦略を転換しているところだ。米国本社を中心に、発注先のベンダーを世界で集約・統合し始めたのである。 具体的には、インフラ管理とアプリケーションの開発・保守という2つの領域で、それぞれ発注先を共通化する。例えばアプリケーションの開発・保守では、米国、欧州、アジアの3地域で、それぞれプライマリとセカンダリのベンダーを1社ずつ、合計6社を選定する必要があるが、一部のベンダーには複数の地域をカバーしてもらうことで、最終的に4社に絞り込む。 狙いは、グローバルでのガバナンス強化とサービスレベルの統一である。4社には、ファイザーが独自に定めた開発・管理標準に従って仕事を進めてもらう。「単価や契約条件で4社からレート
「江戸しぐさ」というのが,かなり前から注目されている。「江戸しぐさ」とは江戸のセンスであり,そこにはギスギスした現代の世の中で忘れられてしまった,江戸時代の商人や庶民の日常生活の智恵や感性が詰まっているそうだ。 「江戸しぐさ」をテーマに,ヒューマン・ハーバー主宰の青木匡光氏(アソシエイツ エイラン代表,「人間接着業」を自認する)と議論している中で,「ITしぐさ」というヒントが出てきた。IT社会での常軌を逸したITマナーや,ITの導入効果を得られない企業に対し,「江戸しぐさ」は痛烈な教訓となる。「江戸しぐさ」をIT社会に応用すれば,「ITしぐさ」としても使えるのではないかと。 江戸商人の生活哲学をITに生かす 「江戸しぐさは日本における江戸期の商人の生活哲学・商人道。しぐさは仕草ではなく思草と表記する。もともと商人(あきんど)しぐさ,繁盛しぐさといわれ多岐にわたる項目が口伝により受け継がれた
NHKは2008年3月7日,受信料を支払っている世帯向けに番組情報などを無料で提供する「NHK+IDサービス」を3月11日に開始すると発表した(サービスの詳細)。このサービスを利用すれば,過去に見逃した番組のタイトルなどを事前に登録し,その番組の再放送の日時を通知する電子メールを受けとることができるようになる。さらにNHKの公開番組やイベントの情報を電子メールで受け取ったり,NHKが運営するWebサイトで番組情報誌「ステラ」のインターネット版を閲覧したりすることが可能になる。 運営サイトにはNHKとの契約情報を変更したり,家族割り引きの申し込みを行うことができる機能も搭載する。NHKは受信料の公平負担の観点から,NHK+IDサービスの利用を受信契約を結んだ世帯に限るとしており,必要に応じて登録情報を使って受信契約の問い合わせを行う方針である。
開発作業の「自動化」と聞いて,正直,うんざりする人もいるだろう。「思った通りの成果物なんてできやしない」「ソースコードの中身がブラックボックス化してしまう」「費用や教育といったツール導入の負担が大きい」――。自動化にはこうしたいくつもの不安やリスクがあるためだ。 だが一方で,生産性と品質のさらなる向上を目指し,企業トップやバックオフィス部門は自動化を強く推し進める。現場では渋々自動化に取り組むが,やはり失敗してしまう。「自動化なんて夢のまた夢,もう自動化はコリゴリだ」。そんな風に思うのも,当前と言えば当然である。 では自動化は悪か,と言えばそんなことはない。人間がやる作業をきちんと自動化できれば,それは素晴らしいことだ。自動化は作業の効率化・迅速化や,成果物の均質化といった大きなメリットがある。開発プロジェクトでは様々な作業が発生し,「猫の手も借りたい」と本気で思う現場はいくらでもある。そ
米Amazon.comは2008年1月27日(米国時間),現在米国だけでサービスを行っている音楽配信事業を,2008年中に他の地域でも開始すると発表した。Amazonの音楽配信はDRM(デジタル著作権管理)技術を使わない「MP3形式」で提供され,一般的なプレイヤーなら製品を選ばずに再生できるのが特徴である。ただし,新しく音楽配信サービスを開始する具体的な地域や時期については明らかにしていない(発表資料)。 Amazonは2007年9月にDRMフリーの音楽配信を開始し,現在四大メジャーレーベル(EMI Music,Sony BMG,Universal Music Group,Warner Music Group)と3万3000以上の独立レーベルによる330万曲以上の楽曲を販売している。楽曲ファイルはDRMのない256kb/sのMP3形式で販売され,ソフトやプレイヤーを選ばず再生できる。また個
2007年5月8日付の本コラムで私は、「生産性向上や優秀な人材確保を目的としたオフィス戦略を実践する企業が目立ってきている」と書いた。2007年8月、東京・神宮前の「住友不動産原宿ビル」にオフィスを移転したミクシィも、その1社といえる。同社は、国内最大手のソーシャル・ネットワーキング・サービス「mixi」を運営する企業だ。 求人情報サイトで創業した同社がmixiを開始したのは2004年2月。2007年5月にmixiのユーザー数は1000万人を超えた。これに伴って、2004年3月期に約3億円だった売上高は、2007年3月期に52億円になった。その間、東京証券取引所のマザーズに株式上場もしている。 オフィス移転の背景には、JR渋谷駅付近の旧オフィスが手狭になっただけでなく、こうした急激な事業拡大に伴う人材確保が同社の重要課題になったことがある。サービス企画やシステム開発のスタッフを増やす考えだ
デジタル音楽市場に対する米Appleの支配方法を見ると,同社の閉鎖的な「iPod」環境がそのうちに訴えられると思う人は多いはずだ。そしてその予想は現実となった。 Appleは2007年12月31日,デジタル・メディア用ハードウエア,ソフトウエア,サービスを強固に連携させていることがシャーマン独占禁止法違反に相当するとして訴えられた。訴状には「Appleはデジタル音楽市場における消費者の選択肢を制限し,わずかしかない競争の余地を抑え込む目的で,必要ないにもかかわらず不公正な技術的制約を人気の高い自社製品に組み込み,抱き合わせ販売や独占的な行為をしている」とあり,Appleがオンライン音楽市場の83%,オンライン・ビデオ市場の75%(もっとも,大した規模の市場ではない),ハードディスク搭載音楽プレーヤ市場の90%を支配していると指摘した。 訴状はさらに,Appleが米Microsoftとマルチ
小飼弾です。明けましておめでとうございます。 去年に引き続き、ITpro編集部より「Watcherが展望する2008年」というお題で記事を一本書けという依頼をいただきました。去年はThe Wisdom Not to Crowdというタイトルで、「群れないこと」をテーマにしました。今年は、その反対、「群れる」ことをテーマにすることにします。いや、「集まる」ことと言った方がいいでしょうか。 去年値上がりしたもの その前に、去年までの傾向をおさらいしておきましょう。まず、何が上がったか。これは、もうみなさん肌で実感しているでしょう。天然資源です。 ガソリンが150円/L以上。おかげで産油国はウハウハです。ドバイやモスクワは建設ラッシュを通り越して、建設合戦となっているようです。人的資源もまた天然資源のようで、中国も相変わらず景気がよろしいようです。 そして、値下がりしたもの で、何が下がったか。
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