先日中国北京市に訪れた際、幸運にも中秋節(9月19日)にあたった。中秋節とは、旧暦8月15日に当たる中秋の名月(十五夜)を指し、中国においては、月を観賞しながら月餅を食べ、家族団らんを楽しむ節句である。当日、空気の悪さから月が見えないのではないかと懸念されたが、それは杞憂に終わり月餅を食べながら満月を眺め中秋節を満喫することができた。さて、前述したように中秋節とは本来的には「月を愛でる」節句であるが、現在は「月餅を食す」ことがメインであると言っても過言ではない。また、自分で買うにとどまらず、親しい人や今後関係を築きたい人に対して月餅を贈答することも多い。事実、中秋節の一ヵ月前ぐらいからデパートやスーパーでは特設会場が設けられ、し烈な月餅商戦が繰り広げられる。過剰ともいえるほどの絢爛豪華な包装が施され、中には何千元という高価な月餅も存在する。また、月餅の餡は伝統的に「豆沙(こしあん)」や「五
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